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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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君にキスしよう 2 『アスラン』
TB[ 0 ]   CM[ 0 ]   Edit   2005/09/12[ Mon ] 23:47
「隊長、こちらが『セイバー』の整備ログです」
「ああ、ありがとう」
「云われた通り、ここのケーブルを調整してみたのですが………」

格納庫でアスランと整備士の会話が交わされるのをシンは彼らに背を向けるようにして、耳に入ってくるのを煩わしそうに思っていた。


なんて人だ。


あれ以来彼は平然としていた。全く何事もなかったかのように…そう、シンの告白など、始めからなかった、と云わんばかりに。
どんな顔をして逢えばいいか、ずっと悩み続けていた自分を馬鹿にされたようで、そんな『大人』な彼を見て、自分が『子供』と突き付けられたようで。
苛立ちが止まらなかった。



しかし。
あの日以来、…シンに告白された日以来。
アスランは努めて冷静を装っていただけ、だった。
というよりも、アスランにはそれ以外の方法が見つからなかった。私的感情を曝け出せばフェイスという公的立場に支障が出るのは明白だったし、何よりもシンを含めた周囲に、今自分が抱えた混乱を知られたくなかった。

そう、…シンにすら。

感情が余り表情に出ない自らの性格にこんなにも安堵した事はなかった。



「あと、センサーの調整ですが、こちらでいいですか?」
「ああ、充分だ。ありがとう」
うっすらと微笑んでアスランは紅の愛機を見上げた。
小さい傷が無数についたその機体は、それでも紅さを輝かせていて。

シンの、ガーネットのような瞳を、思わせる。

ふ、と浮かんだ考えを必死に振り切って、アスランは『セイバー』から視線を外し、背を向けて歩きだした。
調整のチェックも済んで自室に戻ろうとするアスランの行く先に、シンが、居た。
自分の機体『インパルス』の整備ログを友人でもある若い整備士と一緒に見ていたのだろう。
しかしアスランが近づくと視線を向ける事無く、くるりと身体を動かして自分の機体へと歩みだす。
「おい、シン?」
話の途中で立ち去られた整備士が戸惑いながら彼の後を追った。

完全に、避けられている。いくら鈍いアスランでもそれ位は判っていた。
でも、掛ける言葉も、見つからない。
小さく溜息をついて歩を進めるアスランに、何処から現われたのか、 ルナマリアが声をかけた。
「隊長」
「ああ、君か。『ザク』の整備はどうだ?」
「ええ、それは順調ですけど…」
そこで語尾を濁した彼女に、強気な彼女らしくないな、と思いアスランは聞き返した。
「けど?」
「…ええ。シン、なんか…様子がおかしくないですか?」


どきり、と胸が鳴った。


「最近、なんかおかしいですよね?。ちょっと前はあんなに隊長に突っ掛かってたのに今じゃ何だか避けてるみたいで」
「………」
「隊長も、気付いているんでしょ?」

「………え?」

「だって、前と逆なんですもの。前はシンがよく隊長を見てたのに、今は逆。隊長がシンを見てるから」



ルナマリアの言葉が、アスランの思考を完全に停止させた。





それからどうやって彼女の問いに答えたのか、全く記憶にない。多分しどろもどろになっていただろう。彼女の不思議そうな表情だけはよく覚えている。

気付くとアスランはいつのまにか自室に戻ってきていて。ベッドの端に座っていた。


誰が、誰を、見ている?。
前はシンが、アスランを、見ていた。今はアスランが、シンを見ている。


「………う、そ…だろ………」

無意識に出た言葉。
ルナマリアの感の良さに感嘆しつつも、自分でも気付かなかった視線の先を見抜かれていた事に驚愕する。
確かにあの日以来、心ではシンを気にしては、いた。でもそれを周囲に悟られぬように平静を装っていたのに。

女のカンは、恐い。
アスランですら気付かなかった事なのに。
早く気付いてやれ、と突き付けられたようだ。

「………あー。もう………」
そのままアスランは無造作にベッドに寝転んで。両手で自分の頭を抱えた。


確かに、見ていた。シンを、自分は見ていた。


それまでは余り見る事なく、むしろ向こうからの視線に気付く事が多くて。声を掛けると必ず憎まれ口を叩かれて………。

ああ、そうか、と漸く納得する。シンは、自分が、好きで、だから、見ていた。そしてその想いに気付かない自分に対して憤りを感じて、いたんだ。

そして今。シンの告白をうけて、その立場が逆転している事にも。

突然の告白に戸惑ってシンを避けようとしていて、でも出来ずに彼を見ていた自分。
告白されて初めて、彼を意識しはじめた自分。
無意識に誰かを気に掛けるなんて、生まれて初めてで。

「………本当に俺は馬鹿だな」


つまりは、そういう事、だ。

まだはっきりとはしていないけれど、多分そういう事なんだろう。

「俺は………」

アスランの独白が室内の空気に響いて消えていく。

確かめよう。
シンの気持ちを。自分の、気持ちを。

ここでじっとしていても、きっと答えは出ない。
アスランは決心して、ベッドから起き上がって部屋を後にした。
Category [ 時系列(No.00)【番外編・短編集】 ]
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