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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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茜さす帰路照らされど 14 (#37)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/23[ Sun ] 23:06
「何ですって!?」

ミネルバの艦長室にタリアの叫びが響き渡る。

『残念だがタリア、これは事実なのだよ』
「そ、んな…まさか…」
戦闘もなく艦の補給と整備の為に一部クルーを除いてミネルバはオフとなっていて、勿論タリアも今は艦長の任から解放され暫し身体を休めていた時だった。その時急に評議会の長であるデュランダルからの極秘の通信が入ったのだった。

その通信チャンネルはデュランダルとタリアしか知らない、秘密の回線でもあって。

しかし今はタリアは彼からの通信が入った事よりも、その内容に驚愕していた。

「何故、そんな…」

アスラン・ザラのザフト離脱。

純白の軍服を身に纏った細い身体が、かたかたと震えていた。

『君の許可なしに申し訳ないのだが、一刻も争う事態でね。今レイとシンに新型機で追撃に出て貰っている』
「新型機…アレを?」

デュランダルの言葉に、タリアは一瞬で艦長としての顔になった。

『ああ。アスランに量産機ではあるが、グフを一機強奪されてね。捕獲する為にはそうするしかなかったのだよ』
「………判りました。そちらはお任せします。それで私に通信を入れたのはどういう用件でしょうか?」

混乱していた思考が一気に冷静になっていく。

この男は、何を望んでいるのだろうか。
シンをアスランから奪うようにレイを使って洗脳し、そのレイですら議長の手駒だと。
彼らの様子と今までの議長の言動だけで、うっすらとタリアは気付いていた。
そして恐らく自分も彼に、かつての恋人に、利用されている。
しかし、その目的が判らない今、これ以上の詮索はすべきではないと、タリアは自分に言い聞かせる。

タリアの心を読んだかのようにデュランダルは彼女を見つめて、ひとつの命を下す。

『アスランの脱走を幇助した者がミネルバにいる。その者について艦内を調べさせて戴きたい。詳しくは直接話すから今直ぐ私の元へ出頭してくれ』

その言葉に、タリアはもはや言葉もなかった。



激しい雨を降らせていた雨雲はやがて凄まじい轟音と共に夜の闇を切り裂く幾筋もの雷を放ち始めた。
豪雨と光る雷鳴に機体の外に設置されたメインカメラは視界を遮られ、アスランの行く手を阻む。
「…っ、くそ!」
それでも大量の出血で霞む眼を必死に凝らし、アスランは雷が鳴り響く海原を飛行し続けていた。

しかし、アスランを阻もうとするモノが、突如迫る。新しい機体に乗り込んだシンとレイだった。

「…ちっ、追い付かれたか!?」

性能差を考えなくとも所詮量産機ではあの新型機にはかなわないだろう。
量産機を操るのが例えアスランでも二機を同時に相手にするには余りにも辛すぎる。

その時だった。
コクピット内に幾つか設置されているモニターのひとつに、よく見知った男が映し出された。

「議長!?」

それぞれのコクピットから驚きの声が上がる。ただ一人、レイを除いて。
緊急の通信チャンネルを、わざとアスランにも聞こえるように、開いたのだろう。
議長だけでなくシンとレイ、そしてアスランの機体も強制的に回線をオープンにされてそれぞれのコクピット内部が互いのモニターに映し出された。

『…レイ。君がアスラン・ザラを追っていた時、彼は一人だったか?』

基地内に用意された、元はこの軍港の司令室に当然の如く彼は居て。
机に置かれた通信端末から送られる映像と共に問い掛けてきた。

「いいえ、議長。彼は一人ではありませんでした。私が駆け付けた時同じ艦のクルーであるメイリン・ホークが格納庫周辺にて不審な行動をとっており、先に駆け付けたシンと対峙していたアスラン・ザラが彼女を救おうと我々に反抗の意志を示しています」
「…レイ、貴様!?」

淡々と報告するレイの言葉は間違ってはいない。
ただし、レイがミネルバへ戻ろうとしていたメイリンを捕らえ、人質にしてアスランを脅した事は報告されず、アスランはモニター上のレイにむかって叫んだ。
アスランの隣でメイリンが声もなく怯えて震えているのがシート越しに伝わってくる。

『そうか、やはり彼女が手引きしていたのか』
「はい、議長」

二人だけで報告しあう会話にアスランはどうする事も出来ず、シンは驚いて聞き入っていた。

『先程鳴った警報は彼女の部屋にある端末からのハッキングによる物だと判ってね』
「ええ、彼女は情報のエキスパートです。それ位は簡単に遣り遂げれるでしょう」
『やはり彼女は、人質ではなく、仲間だと?』
「はい。アスランだけでなく彼女も機密事項を知っている分、充分に危険な存在だと思われます」

議長の言葉に肯定したレイに、アスランが叫ぶ。

「彼女は違う!!………っ、くそ!!」

しかしアスランの言葉は誰にも伝わらなかった。

意図的にグフからの通信は切られていた。

これでは何一つ真実を伝えられない。
アスランは機体を飛ばしながらも必死にパネルを操作して通信を回復させようと回線をいじった。

シンもまた、レイの言葉に動揺していて。

「レイ!。メイリンもアスランの仲間だって!?」

シンにはそれが信じられなくて。
だって自分の知る限りあの二人に接点はない。
自分にすら何も話してくれなかったのに、メイリンには話すだなんて。

シンは衝撃を受けた。



そして議長から冷酷な言葉が伝えられる。

『レイ、シン。君達に命ずる。アスラン・ザラ、メイリン・ホークの撃墜を許可する』

一方的に下された命令と共に議長からの回線は切られて。アスランがグフの回線を正常に戻した時には既に遅かった。

「聞いたな、シン」
「でも…だけど!」

シンはメイリンの事を、真実とは違う事実を突き付けられて動揺する。
しかしレイはシンに告げた。

「彼らが逃亡し向かう先は、シン、お前にも判るだろう?。今阻止しなければ事態は益々悪化するだろう」
「…っ!」
「シン、戦争を終わらせたいなら今彼らを討たねばならないんだ!」

その言葉がシンを狂わせる。

「レイ!。お前、何を…っ」
通信が回復したグフからアスランの声が聞こえ、レイが告げる言葉を否定しようとしたが、声を荒立てた為に傷が痛みアスランはその後に続く言葉を飲み込むしかなかった。

「行くぞ、シン」
「…ああ!」

何も云えなかったが為に、アスランはシンを止められなかった。
シンは完全にレイの巧みな話術に操られてしまう。

今、目の前にいる機体は、敵。

討たねばならない、敵。

シンの心にある癒えぬ傷が、悲しい記憶が、シンに残された生きる為の意志を揺り動かした。

敵を討たねば、戦争は終わらない。
戦争の為に全てを失った。
もう、失いたくない。
だから、敵を、討つ。

繰り返し繰り返し、シンはそれだけを思って。

デスティニーのバーニアを全開にした。
Category [ 時系列(No.04)【茜さす帰路照らされど】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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