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茜さす帰路照らされど 15 (#37)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/23[ Sun ] 22:54
「アスランさん…っ」

己まで撃墜すると告げられた恐怖に自失していたメイリンが漸くアスランの名前を呟いて。そのまま泣き崩れた。

彼女まで巻き込んだ。
判っていたのに。
こうなる事は始めから判っていたのに。
うまく逃げられる筈などないと判っていたから調べあげたデータを自ら腕を切り裂いて隠して。
なのにメイリンの言葉に、対応に、甘えて。
巻き込んでしまった。

アスランはひどく後悔した。

しかし背後から迫りくる機体はアスランの懺悔を無理矢理にとめる。

バーニアを吹かし急接近してくるデスティニーの後ろからレジェンドがビームライフルをグフに向けて発射した。
威嚇の為に発射されたそれはかすかにグフから逸れて海面を撃つ。

「…っ!」

アスランは横のモニターを見やり、背後に設置されたカメラからの映像を確認して機体を傾けて今だ放たれ続ける射撃を辛うじてかわす。
機体にかかる衝撃が身体を伝わり、傷が激しく痛む。しかしアスランの全神経は今シンとレイの機体に集中していて、流れる血すら感じなくなっていた。

高度を下げて海面すれすれを蛇行するように飛び、レジェンドの放つビームライフルをかわすグフに、デスティニーが追い付いて。

「…っ、シン!」
「ちっ!」

名を呼ぶアスランの映像に舌打ちするシンの表情は、かつてセイバーが撃墜された時や軍規違反し営倉に入れられた時のような、ひどいものだった。

憎しみを隠す事無く目の前の機体を撃ち落とすと。
まるで鬼神のような表情で。

デスティニーもビームライフルをグフめがけて発射する。威嚇ではない、本気の射撃で。

「シン!」
「何で…っ。何でこんな事…っ」
「シン、やめろ!」

アスランが背後から追うシンを気にしつつも彼を呼ぶが、シンは憎悪をぶつけるようにアスランの機体を睨み付ける。

「何であんたは、こんな事ーっ!」

どうして逃げる。
どうして裏切る。

何も語らず、何も頼らず。
シンの存在を、否定するかのように、置き去りにして。

シンの絶叫が彼の心の痛みをアスランに伝えた。
と同時に撃たれたビームライフルがグフをかすめ、脚の装甲の一部を削り取った。
急激に正確性を増すシンの射撃に、アスランは覚悟を決めてグフの飛行をとめ背後を振り返った。

やはりこのままでは無理だ、と。
戦わずにすむなら良かった。
しかしお互い機体を駆る人間だ。
戦わねば、先には進めない。

振り返りながらグフの右手がデスティニーに向けられ、解放された指先から実弾が放たれる。
性能の高い機体には効かないのは判っている。
それでもアスランはシンとの避けられない戦いを最小限に抑えようと必死だったのだ。
予想どおりビームシールドで弾かれてしまう。

「シン、止めろ!」
「煩いっ!」
「お前は、まだ判らないのか!?」
「…何?」

モニター越しのアスランの言葉に一瞬シンの動きがとまる。

「議長の本当の思惑に気付くんだ、シン!。お前は彼に利用されているんだ!!」
「なんだよ、それッ!!。そんな筈ない、議長は…ッ」
「黙って話を聞け!!」

動揺しだしたシンに、アスランは覚悟を決めた。

本当は話すつもりはなかった。
話せば彼も巻き込んでしまう。
決して楽ではない道に、命すら保障できない道に。
だから今はまだ話す時ではないと、迷っていた。

しかしレイの言葉に操られるシンはアスランの考えていた以上に深刻で。
今伝えなければ、今云わなければ、彼も自分とは違う修羅の道を望まずに進まされると。

アスランが真実を語ろうと口を開いた時、デスティニーの背後から一筋の光がグフを掠めるように海面に突き刺さった。
それはレイの駆るレジェンドから放たれたビームライフルだった。

「踊らされるな、シン!」
「レイ!」

アスランとシンが同時に叫んだ。
ぎり、と唇を噛みながらアスランがモニターに映るレイを睨む。
映像の彼は、危険な何かを孕んだ笑みを浮かべていた。

レイの言葉にシンは動揺がとまり、再度グフへ射撃しはじめた。

「…逃げるな!。降伏しろよ、アスランッ!!」
それはシンの中にまだアスランを撃つ事へのためらいがあると物語っていた。
「裏切るなっ、基地へ戻れー!」
サーベルを抜いて切り付けてきたデスティニーをかわすように、ひらりと上空に舞ったグフを雷光が照らしだす。

「…っ、シン、お前…ッ」

やはりきちんと話せる筈はない。
攻撃するシンを、逃げるアスランを監視するかの如く見守るレイがこの場にいる限り不可能だとアスランはさとる。
少しでも話そうとすると威嚇してくるレイは今も二人を見つめて少し離れた上空にいる。

アスランは空を旋回しながら下を振り向き、やはり向かってきていたシンにヒートロッドを振り投げた。
初めて駆る機体とは思えぬ程正確な動きで、一瞬にしてデスティニーのビームライフルに絡み付き、それを電撃で焼き払うかのように爆破させる。

「いい加減止めろ、シン!」
「なんだと!?」

「俺は今此処で…『死ぬ』訳にはいかないんだ!!」

アスランの言葉に、シンが柘榴の眸を見開いた。

死ぬ?。誰が?。アスランが?。
殺す?。俺が?。俺が!。

びくりと肩を震わせたシンの姿を、アスランはモニター越しに見つめていた。

まだ彼が自分を想ってくれているならば。
伝えなければならない事があると。

悲壮な想いでアスランは叫んだ。
Category [ 時系列(No.04)【茜さす帰路照らされど】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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