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茜さす帰路照らされど 11 (#36 ~37)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/20[ Thu ] 22:44
無機質な物体しかないこの空間でただふたつの命。

そのひとつのシンは、もう片方のアスランの左腕を力任せに握り締め、彼が逃げるのを許さない、と動きを封じていた。
肉に食い込むシンの指が知らずアスランの傷に突き刺さり、その傷口を抉っている。しかしアスランを逃がさないと必死になっているシンは彼が何故今青ざめた顔で苦しんでいるのか、全く気付く事もなくて。

「あんたが本当の事話してくれるまで、許さないから!!」

そう云って更に指に力を込めた。

「………ぐ、ぅッ、シ…ンッ!!」

アスランがぎり、と歯を噛み締めて痛みに耐えながらシンを制止するも、シンはアスランの左腕と肩をがっちりと掴み顔を近付けて睨んでいる。

まるで唇が触れそうな距離で、愛を語るのではなく、言い訳を求めていて。

戸惑いと焦り、哀しみが交じりあう柘榴の眸と、翡翠の眸。

しかしお互いを想いあう心は今は一つではなくて。
繋がることも交わることもなくて。

「何でだよ!?、アスランッ!!」

シンが叫ぶ。
叫んで、涙を滲ませてアスランの首元に頬を擦りつけた。
「アスランッ、アスランーッ!!」
格納庫に響き渡るシンの絶叫は閉ざされた空間で反響して、激痛に呻くアスランの思考を揺り動かした。
封じられていない右手をシンに気付かれないように咄嗟に動かし、その手に持つマシンガンの弾倉部分を彼の後頭部めがけて振り下ろした。

「…ッ、うあッ!」

後頭部に走った衝撃と激痛にシンの身体がずる、と崩れ落ち、その所為で握り締めていたアスランの右手が自由になった。
「あ、んた…っ」
痛みに耐えながらも直ぐにシンは崩れた身体を踏み止まらせてアスランを睨もうと目線をあげた。
しかし次の瞬間シンを待ち構えていたのはアスランの蹴り上げた膝頭で、防ぐ暇すらなく腹部にくらう。

「が、あッ」

完全に形勢は逆転してシンは今度こそがくりと膝を床につけた。
アスランはそれを見逃さず、あとずさってシンから離れようとしたが、掴まれていた左腕に激痛が走り、思わず右手を添えて庇うように背を丸めてしまう。

「…っ、う…」
シンの指によって傷口は抉られて鮮血が流れているらしい。じわり、と深紅の軍服の袖が黒く変色し始めていた。

左腕の痛みはシンを置いていこうとする自分へ与えられた、彼からの叱責のようで。
痛みよりも胸を締め付ける切なさの方が辛かった。

「くっ、そぉぉッ!」
今度はシンがアスランに飛び掛かるように突進し、痛みに反応が鈍った彼の鳩尾に拳を食らわせて。
しかしシンよりも戦場での経験が豊富で、場数を踏んでいるアスランの方が立ち直りは早かった。

そして。

次の瞬間。

同時に二人の手が上がり、シンはアスランの喉元に。アスランはシンの眉間に。

それぞれが握る短銃の銃口を、おしあてた。

「………っ、あんたに、俺が撃てるのかよ…ッ」
「お前は、撃てるのか?。俺を………」
「………っ!」

シンは威嚇のつもりだった。でなければ、アスランに冷たい銃口を突き付けるなど出来る筈はない。
しかし、逆に聞き返すアスランの眸は、俺には撃てる、と。
そう伝える冷たさを孕んでいて。

ああ、本当は、彼は、こういう人間なのだと。
迷わず撃つ事の出来る男なのだと、シンは気付かされた。

いつも迷い悩み、強いくせに弱くて。そして自分だけに見せてくれた姿は優しくて格好よくて可愛くて色っぽくて。

そんなアスランが今、狩ろうとする獣の鋭さを見せ付ける。
今シンの目の前に居るのは、『戦士』としての『アスラン・ザラ』だった。

「………シン」
名を呼んで、銃のトリガーに触れた指に力を込める。
その指が、紅く色付いている事に、シンは目を奪われた。

あれは、あの色は。

漸くシンは先程まで自分が掴んでいた彼の左腕から滲んだ血に、気付いた。

さっきも、そして今も、アスランがシンに突き付けた銃を持つ手が、利き腕ではない、負傷した『左腕』だという事に。

「あ、んた…その腕…っ。じゃあ…っ!?」

つまり、アスランには、始めからシンを撃つ気などないのだと。

アスランの真意に、そして自分へ向けられた変わらぬ想いに、シンの眸からぼろぼろと涙が零れた。

間違ってシンがアスランを撃ち抜いても、アスランはシンを撃つ気もなく、シンに撃たれる覚悟で。

苦しむシンよりも、覚悟を決めたアスランの決意の方が、辛すぎて。
シンは声をあげる事無くぼろぼろと涙を流した。






だが。

現実は二人を容赦なく引き裂く。



「アスラン、銃を下ろして下さい」

刹那、冷酷な声が、した。

はっ、と二人の視線が声のする方向へ向けられる。

声が聞こえた格納庫の扉には、ふたつの人影が在った。

「レ、イ?」
「メイリンッ!?」

シンの戸惑う声とアスランの叫びが同時にあがる。



其処にはかたかたと恐怖に震えるメイリンと、彼女のこめかみに銃口を突き付けたレイの姿が在った。
Category [ 時系列(No.04)【茜さす帰路照らされど】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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