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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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茜さす帰路照らされど 8 (#36 ~37)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/18[ Tue ] 22:52
夜の闇は深く、軍港の施設内は恐ろしいまでに静まり返っていた。

先程偽装の為にメイリンが鳴らした警報がアスランを追う衛兵を撹乱しているらしく、今彼らが駆けるこの施設の付近には誰も居なかった。
しかしそれも時間の問題だろう。直に誰かがやってくるに違いなくて。
非常階段を降りた所でアスランは建物の壁に隠れながらその先の方を見やる。降りしきる雨で視界は鮮明ではないが、人の気配は感じられない。
「アスランさん、此処で待っていて下さい。今車を回します」
後ろを着いてきていたメイリンがそう言い残して雨の中をぱしゃぱしゃと駆けていく。

彼女が無事に行った事を確認したアスランは、とさ、とコンクリートの壁にもたれかかった。
「…っ、は、あ…っ」
気を張り詰めながら走り続けた所為で、一瞬安堵した途端に呼吸が荒くなる。
それまで感じなかった左腕の痛みも急にひどくなったかのように痛みだし、鼓動と重なるようにズキズキと神経を伝う。
幸い飲んだ止血剤のおかげで出血は抑えられているし、軍服の深紅が巧く隠してくれている。
メイリンは気付かなかったようだが、しかし血に馴染んだ自分には独特の鉄臭い匂いが鼻を擽っていて。
「…まずいな…」
雨の中を走り、身体は冷えきっている。
体温を奪われた状態で、しかも出血の所為で貧血をおこしかけていて、アスランの視界が時折霞んで見えた。
だが今此処で果てる訳にはいかないのだ。
ゆるんだ気持ちを再び引き締めて、アスランは夜の闇をぎっ、と睨み付けた。

やがてメイリンが一台のオープンカータイプのエアカーで戻ってきた。
辺りには誰も居ない。それを確認したアスランは一気に駆け寄って車内へ転がりこんで、助手席に座った。身体を縮こまるように下げて隠し、腹部においたマシンガンを握り締めていつでも撃てる体勢をとった。
メイリンがハンドルを握り、ギアを入れて一気に加速させる。
二人を乗せたエアカーはそのまま格納庫が立ち並ぶ方へと走り去っていった。



外に出たシンは、辺りを見回して神経を尖らせる。
先程シンが居る場所とは正反対の施設で警報がなったと報告があった。
だから殆どの衛兵はそちらに向かっているのだという。

でも、と。シンは考える。
アスランならばそんな簡単に警報を鳴らすようなへまはしないだろう。
普通のいち軍人ではないのだ、彼は。
ザフトの中でもトップクラスの力を持ち、周囲にも認められる程のエリートのアスランが、そう簡単に警報を鳴らし掴まるとは思えない。
シンはアスランの実力を、その凄さを識っている。

殆ど直感だった。
きっと彼は格納庫が密集するこの区画に来る筈だ。
もし本当にこの基地を脱するなら、行動する為の物、つまりMSを求めて此処に来るはずだと。
シンが彼の立場なら同じ事を思うから。
アスラン程ではないも、シンだって深紅の軍服を纏う実力をかねそろえている。
神経を尖らせて、周囲を伺い。
右手に握り締めた銃の重さを感じながらシンは雨の中を、走りだした。



エアカーが急にピタリ、と停止した。
「………っ?」
助手席で蹲り気配を探るアスランが息を飲む。
なにかが、居る。
運転席に座るメイリンが、隣のアスランを見ないように、始めから誰もいない、と装いながらも動揺していた。
「こんな時間に何をしている!?」
聞こえてきたのは一人の男の声。
数多くある格納庫のひとつの前で、警備をしていたらしい軍人だった。
多分議長の息がかかった者なのだろう。左手には携帯式のライトを、右手には銃を持っていて。腰には連絡を取る為の端末があった。
夜更けに走り去ろうとする不審車を見つけて尋問してきたのだった。
少しずつ近寄ってくる男にメイリンは顔を強ばらせ、アスランは腹部に置いたマシンガンのトリガーをぎゅ、と強く握る。
男の持つライトがメイリンを捉えて照らしだす。
覚悟を決めてアスランが起き上がろうとした時だった。

「どうなさいました?」

一人の女性の、声が、した。
アスランにとってはよく聞き慣れた、しかし『本物』ではない、声。

「あ、ラクス、様…っ」
「雨の中の警備、本当にご苦労さまですわね」
「いえ………」
「その車が、どうかしたのですか?」
雨の中、ふらりと立ち並ぶ施設の影から出てきた彼女が男にやんわりと声をかけてきて。
現われる筈のない彼女に男は本当に驚いているらしかった。
ラクス、と呼ばれた彼女は男が照らすライトの先に停車したエアカーをちら、と見て問い掛ける。

「いえ、不審車がいたので詰問しようと………」「あらあら、不審車などではありませんわ」
「え!?」

彼女の言葉に男もメイリンも、助手席に潜んだアスランでさえも度胆を抜かれて。

「彼女は私を迎えに来てくれたのですわ。私、散歩に出たはいいけれど迷ってしまいまして…。それでお願いして来て頂いたのですよ」
「そ、そうなんですか?」

男が動揺しながらメイリンを見て。メイリンも困惑しながら彼女の言葉に強く頷いた。
すると男は信じたのか、『ラクス』に敬礼して去っていった。
どうやら男は彼女を『本物』と信じているらしく、今はそれが幸いした。
Category [ 時系列(No.04)【茜さす帰路照らされど】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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