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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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茜さす帰路照らされど 9 (#36 ~37)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/18[ Tue ] 22:45
「………っ」
アスランが身を起こして彼女を見つめる。
『ミーア』と、彼女の本当の名を呼ぶたくとも今はメイリンがいるから呼べずに。

「…『ラクス』…」

と、違う名を呼んだ。
彼女は、微笑する。
「アスラン、早く行った方がいいわ。あなた、議長に疑われているから………」
そう『ラクス』らしくない口調で話す。
「ああ、そうだろうな…さっきの俺の態度ではそう思われるのも無理もないさ」
「さっき…議長がレイっていう人と話してたの…」
「レイ!?」

彼女が告げた名にアスランが驚く。
何故彼が。
しかし、アスランの中にあるレイへの疑問がそれを納得させた。
彼はもしかして、と。
思考をそちらに巡らせかけたアスランに、『ラクス』が戸惑いながら告げた。

「…議長は、彼に…貴方の暗殺命令を出していたの…」
「………ッ!?」
「多分、今動いている衛兵も、レイの指示で動いていると思うわ…。議長、あとは任せるって云ってたから…」

しかしアスランは覚悟していたように、薄く微笑して。

「そうか」

とだけ呟いた。

ではきっと。
レイが関わっているならば、きっと。

彼も、来る、と。

アスランの隣でメイリンが混乱して小さく震えている。アスランはちらりとメイリンを見つめて、そして再び『ラクス』と呼ばれる少女を見た。

「…君も、一緒に、行こう」
そう云って銃を持たない、自傷した左腕を差し出した。
しかし彼女は首を横に振る。そして悲しそうに笑って。

「私は、行かないわ」
「しかし!。このままこちらにいれば君も…っ」

『偽物』の君の命も危ない、と。
アスランが必死に『真実』を隠しながら説得するも、彼女は優しく笑うだけだった。

「私は、………『ラクス・クライン』だもの………」

もう、アスランは何も云えなかった。

彼女は、ミーアは、覚悟を決めていると。
そう悟った。
最初は憧れの存在になれて、例え利用されていても、嬉しかったのだと。
自分に出来る事をしたいと以前アスランに告げた彼女は、今の情勢が自らの立場を危険に曝していくのを理解した上で、覚悟をしていた。
きっとその細い身体の中は恐怖で埋め尽くされているだろうに。

アスランはエアカーから降りて、雨降る中彼女をそっと抱き締めた。

初めてアスランからもたらされた抱擁に、ミーアは驚きながらも嬉しそうに微笑んで。
しかし抱き返す事無く二人の身体は離れた。

メイリンも車を降り、代わりにミーアが乗り込んで。
「あちらの格納庫にはまだ誰もいないわ。………アスラン、気をつけて………」
そう告げて、二人の代わりにエアカーを走らせて去っていった。
アスランは遠くなっていく彼女に、翡翠の眸を揺らして。
直ぐに気持ちを切り替えて彼女が指し示してくれた格納庫へと脚を向ける。
メイリンも戸惑いながらもその後を追って行った。



アスランと別れたばかりのミーアはエアカーを走らせながら、静かに泣いていた。

今なら泣いても雨が隠してくれる。
今なら『ラクス』ではなく『ミーア』でいてもいいと。
そう思いながら泣いて。

エアカーを走らせ、一人の少年とすれ違った事に気付かなかった。

ミーアが運転するエアカーとすれ違い、その車を不審そうに見つめた少年は、本能で車がきた方向を睨むように見つめて。

「………アスラン」

と、呟いた。

きっと彼は、この先に、居る。
今走り抜けた車は、多分関わりのある者だ。

ならば、行かなくては。
アスランに逢って、話をしなくては。

止まない雨にびしょ濡れになった黒髪が柘榴の眸を覆う。

しかしそれも気にしないと、少年は、アスランを求めて必死に走りだした。

その手には冷たい銃が、鈍く光っていた。
Category [ 時系列(No.04)【茜さす帰路照らされど】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
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