1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
スポンサーサイト
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   --/--/--[ -- ] --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Category [ スポンサー広告 ]
茜さす帰路照らされど 7 (#35 ~36)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/17[ Mon ] 22:29
「………はい?」

そしてメイリンがドアを開けた。
その姿は普段ツインテールにしている髪を下ろし、バスタオルを巻いただけの、いかにも『シャワーを浴びていた』姿で。
たった今急いで服を脱ぎ、全身を濡らしただけの『偽装』だとは瞬間的には思えない程、刺激的な姿で。
何度もドアを叩き、今にも突き破って侵入しようとしていた衛兵達の予想を見事に裏切っていたらしい。衛兵達は皆目を見開いて驚き、咄嗟に視線を逸らす者さえ居た。

「なんでしょうか?」
メイリンが『何が起きたのか判らない』といった風に尋ねる。
「な、何故直ぐにドアを開けなかった?」
「シャワーを浴びていたので…」
動揺した衛兵が分かり切った質問をするも、メイリンは落ち着いて返答した。
「何か?」
「あ、いや。何か変わった事はなかったか?」
「いえ…シャワールームに居たので何も…」
本当に何も知らない、とメイリンは態度で物語る。
「そ、そうか。いや、ならいい。すまなかったな」
「いえ…。あの、もう宜しいですか?」
メイリンが自分の身体をドアに隠すようにしながら衛兵を見つめると彼らも困惑したように目線を逸らして。
「あ、あぁ…」
そう云ってドアを閉めて去っていった。

そのまま近隣の部屋を尋ねながら順に『不審者』つまりアスランを探していき、その気配はやがて遠ざかっていった。

「もう、大丈夫です…」
閉じられたドアに張りつきながら外の様子を探っていたメイリンが小さく声を発した。
するとバスルームからアスランが静かにその姿を現して。
「…すまない。助かった」
「いえ」
そう答えた途端、メイリンの細い身体からかくん、と力が抜けてその場に座り込んだ。
過度の緊張から解放された所為だろう、かたかたと身体が震えていて、それに気付いたアスランは悲しそうな表情を浮かべて。

「本当に、すまない…」
ともう一度謝罪して彼女に軍服の上着をかけてやった。
そして直ぐに銃を装備しなおし、窓の方へと進もうとする。

これ以上彼女に迷惑はかけられなかった。

しかしアスランの動きはメイリンに呼ばれて制止させられた。
「ま、待って!」
「…え?」
「アスランさん、さっき調べていたの、アレ…どういう、事ですか?」
こんな幼い少女でもコーディネーターでミネルバのクルーだ。何かしらの疑問を抱いたらしい。
「………君は、知らない方が、いい………」
「でも!。あれは………もしかして前アスランさんが搭乗していた『ジャスティス』のような存在ですか?」

アスランはメイリンの言葉に弾かれるかのように振り返って彼女を見つめた。

「な、ぜ君がそれを…?」
「あ、いえ………アスランさんがミネルバに合流してから私…個人的に過去のデータを調べて見ていたんです…」

メイリンは密かに姉と同様にアスランに興味を持って、ザフトに残っていたアスランに関するデータを調べたのだと云った。

先の大戦でアスランが搭乗していた『ジャスティス』はザフトで製造されてはいたが実際は当時の評議会議長でありアスランの実父のパトリック・ザラの『私物』として属していて、結果アスランが寝返る事となったが、その機体はザフトとは分けられた物として存在していたのだ。

つまり今、それと同じ状況だと、メイリンは気付いたのだ。

「…何か、あったんですか?」
「………」
メイリンの問いにアスランは答えなかった。
再び視線を窓際へとむけ止めていた脚を進める。
「待って下さい!」
またメイリンが呼び止める。
「このまま行っても直ぐに気付かれます!」
「しかし、俺は行かなくては…」
するとメイリンがす、と立ち上がり、デスクの上のパソコンを起動させる。
「今、何処か別の場所にアクセスして警報を鳴らします。それなら多少は時間が稼げますから…!」
キーボードを叩きながらメイリンはアスランに告げた。
「それでは君が危険だ!」
「いいから!!。ちょっと待って…あ、よしっ、アクセスできた!!」
さすがといわんばかりのハッキングでメイリンは軍港のメインシステムに侵入し、ミネルバが居る場所から離れた倉庫で警報を遠隔操作で鳴らした。
「メイリンッ!!」
危険を侵す彼女の行動にアスランは思わず声を荒げたが、メイリンはパソコンの電源を切りながら急いで服を着始めた。
「大丈夫です。私、こういうの得意で、ミネルバ配属が決まったんですから」
「しかし…っ」
「アスランさん、行くんでしょう?。私も手伝います」
そうきっぱりと言い切るメイリンの眸は戸惑いに揺れながらも、謀らずして気付いてしまった『真実』の片鱗に疑念と反発を覚えていた。

「………やっぱり、厭ですから………前みたいに、なるの………」

それは、少女のはっきりとした意志だった。
もう、あんな混迷した残酷な世界は繰り返してほしくないという、意志。
アスランはそれに気付き、もうメイリンを止められなかった。

己一人で行こうとした。
しかし、今。
彼女が抱いた気持ちはアスランと同じもので。

「すまない………本当に、すまない」
「いえ、気にしないで下さい。とりあえず窓から外に出ましょう。今車を回しますから」
「ああ」

そしてアスランはメイリンを連れて窓の外に出る。そこから繋がる非常階段へと二人は夜の闇を駆けていった。



自室で議長との直通の回線を切ったレイに衛兵からの内密の通信が入る。
それを受けたレイがぎらりとした視線を上げて。
再び端末を開いてある場所へと繋いだ。
其処は、隠された機体が、ある場所。
そして今、シンが、居る場所。

「………レイ・ザ・バレルだ。其処にシン・アスカはいるか?」

やがて繋がった先にいる議長の部下に冷徹な声音でシンを呼べと命令した。



「レイ?。どうした?」
整備クルーに呼ばれて出た回線に、シンは話し掛ける。
シンはアスランと別れてからずっと自分に託された新しい機体のデータを把握する為に格納庫に居た。
『シン、今から直ぐに動けるか?』
「え?。何で!」
ついシンは大きな声をあげた。
此処に居るのを知られていた事もだが、それ以上にレイの突然の言葉に驚いた。
『ミネルバから離反する者が出た』
「………え?。離反って…脱走!?」
『ああ、そうだ』
「それで?。俺が追うの?」

普通ならば衛兵が追うだろう。シンは只のパイロットだ。追う権利はないし、そんな指示も出ていない。

『…シン』

疑問に思い訝しむシンに、回線の向こうでレイが残酷な事実を、突き付けた。

『離反者は、アスラン・ザラ、だ』

「………え」

シンは、愕然として。
暗闇に堕とされるような錯覚。

「う、そ………だ………」
『シン、これは事実だ』
「な、んで………?」

だって。
さっきまで一緒に居たのに。
ずっと一緒に居ようと、約束したのに。

好きだと、云ってくれたのに。

アスランは、シンの居る此処から、去ると。

「ア、スラ、ン」
途切れがちに彼の名を呼ぶも、返事は勿論ない。

『いいか、シン。携帯端末は持っているか?。アスランは多分格納庫へと向かうだろう』
「………っ」
『俺も今からそちらへ向かう。シン、お前も直ぐに動いてくれ』

そう云ってレイからの回線は一方的に切れた。
しかしシンは動けなくて。
身体が麻痺したかのように自らの意志では動かせなかった。

そう、だ。
アスランは頑固で、自分と同じように人付き合いが巧くないから。
だからきっと。
何か誤解されているんだ。
きっと、そうだ。

シンはぼんやりと考える。
レイに突き付けられた事実を未だ受け入れられないで、心はアスランを信じたいと。
信じて縋りたいと。

それだけを思って、シンは。
漸く脚を動かして格納庫から出ていった。

携帯端末と、念の為にと整備クルーに持たされた銃を持って。

アスランに逢わなくては。
レイや衛兵に見つかる前に逢って、話を聞いて。確かめなければ。

シンは思考をそれだけで埋め尽くして、雨降る夜の闇を駆けていった。
Category [ 時系列(No.04)【茜さす帰路照らされど】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
COMMENT






  
Web 拍手
少しでもお気に召して戴けたならぽちっと 押してあげて下さいw

Web拍手

気紛れでお礼SSを更新中。 お返事は日記の方で不定期にしてたりしてなかったり。 日記へはリンクコーナーからどうぞw。
カレンダー
最新記事以外のログはカレンダー日付からどうぞ。
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
サイトについて
当サイトはガンダムSEED DESTINYの二次創作小説サイトで、シンアスオンリーで活動中です。 女性向の同人的要素満載な上、性描写を思わせるSSも多数UPしております。 (もろそういうのは全てR18裏に隠しております) そういったものが苦手な方、及びシンアスに興味のない方は、閲覧つらいかと思われますので回れ右して下さいませ。 そして学校、会社等の公共施設での閲覧もご遠慮下さい。

現在仮オープン中ですが、いずれ正式に開設予定。 しかしこれからオフ生活が繁忙期に突入な為、 年内の開設はけっこうきつい今日この頃。
ブログ検索
メール
管理人へのご連絡はこちらから。シンアス同志少ないのでいただけると泣いて喜びます。 ご意見ご感想、好きなシンアスシチュ等何でもOKですのでお気軽にどうぞ。

メールフォーム

お返事は余程の事がない限り必ずしております。 シンアスシチュが管理人のツボにはまったら書く可能性大w。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。