1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
スポンサーサイト
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   --/--/--[ -- ] --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Category [ スポンサー広告 ]
茜さす帰路照らされど 6 (#35 ~36)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/16[ Sun ] 23:12
二人との面会を終えたデュランダルは、一時的に滞在するこの基地に用意させた一室で一人思考を巡らせていた。

『シン・アスカ』は大丈夫だろう。
あの様子から見ても完全に自分を崇拝し、これからも役にたってくれる筈だ。これまでの戦績も予想以上に優れているし、何より彼の傍には我が懐刀の『レイ』が常に居る。

しかし。

『アスラン・ザラ』はどうであろうか。
彼自身迷い続けた所為で戦績が良くない事は自覚しているだろう。一度決心すればその実力は飛躍的に発揮されるが、迷い悩む間はどうしても非情にはなれない性格だ。

それに『アスラン』は気付いている。
全てを、自分を、知ってしまっている。
彼が怪しい、とレイから報告は受けていたが、直接逢ってそれを実感した。
彼はもう自分の言葉を聞かない。
だまされない。
『計画』を無事進める為に排除せねばならない危険分子となってしまった。

「残念だが…そういう事だな。アスラン・ザラ…」

デュランダルは小さく呟くとデスクに置かれた端末を操作し、直通の秘密コードを入力し『レイ』を呼び出した。

「…ああ、レイ。やはり君の云う通りだったよ」
『では、ギル…彼は』
「もう、いいだろう。これ以上は…」
『必要ない、と…』
「ああ、すまないがレイ。あとは頼んだよ」
『…はっ!!』

そして回線は切られた。

閉められたドアの向こう側で、これもデュランダルが用意した『偽物』の彼女が会話を盗み聞きしていた事すら、気付いてわざと放置しながら。
一人デュランダルは微笑した。



窓を蹴破り、外に出たアスランは雨降る中を必死に走り抜けていた。鉄製の非常階段を下り、闇に紛れて逃走する。
多分議長は、気付いた筈た。アスランが何を思い、何を調べて、そして今何をしようとしているかを。
だから時間はないのだ。少しでも遠くへ行かねばやがて議長が差し向けるであろう衛兵がアスランを追う。
やがて頭上からカンカン、と階段を下る足音が聞こえてきた。
その音は一人ではなく、明らかに複数の人間の足音だった。

「くそ…っ、早すぎる…っ」
アスランはそう吐き捨てて階段の横にあった鉄製のドアを開けて再び艦内へと入る。少しでも撹乱しようという判断だった。

「居たぞ!、あそこだ!!」
通路を走っていると、後方から声が聞こえた。
「…ちっ!」
声の聞こえ方からして距離はそんなにない。ならば逃げるよりも倒した方が良いだろうか。
そう思い駆ける脚を止めて振り向いた。
衛兵が三人こちらに駆けてくる。この人数ならばアスランにとってたやすいもので。
だん、と床を蹴って最初の一人目の腹めがけて左肘を食らわせて、蹲る男を後ろ蹴りで床に倒す。
そして直ぐに二人目の男が飛び掛かろうとするのを身を翻して避け、三人目の男の脇を潜り抜けて背後から首を締め上げた。
簡単にかわされた二人目の男がくるりと振り返った刹那、アスランは三人目の首を締めながら二人目の男に蹴りを入れる。
首をしめられた男が落ちて気絶するとさっと身体を離して未だ意識のある二人目の男に拳を食らわせて。
たった一人で立ち向かうアスランに衛兵達は翻弄されて簡単に倒された。床に崩れ落ちた彼らからアスランは装備していた短銃やマシンガン、弾倉などを取り上げて、見返す事無く、通路を駆けていった。

しかし後ろから追い掛ける衛兵の足音は続々と聞こえてくる。
一体どれだけの議長の息がかかった者がこのミネルバに忍び込んでいるのだろうか。
予想どおり事態は悪いらしい。
先程自ら切り裂いた左腕が激しく痛み熱を発している。
「…っ、う…」
思わず軍服の上から傷を押さえてアスランは呻いた。

保つだろうか。

不意に不安がアスランの中を駆け巡る。

その時だった。

一つのドアが見えて、アスランは反射的にそのドアを開けて室内へ潜り込んだ。
ドアを閉めて通路の気配を探る。まだ衛兵は先を進んでいると思ったらしい。足音が一旦遠退いていく。

「………っ、はぁ………」
走り続けた所為で息が途切れがちだった。息苦しさに大きく呼吸すると、何か音が聞こえてアスランは慌てて室内を見た。

「………きゃっ」
其処には、女が、居た。
突然の侵入者に驚き、小さい身体を震わせている。
「君は………メイ、リン」
アスランはぼぅ、とする頭を巡らせて彼女の名を呼んだ。

そういえばこの辺りはクルーの個室がある所だ。パイロット達の個室とは離れていて余り来る事はなかったが頭には艦内の見取り図は既に記憶されている。

「あ、アスランさん………?」
「すまない、少しだけ静かにしていてくれないか?」
「あ、は、はい」
「それと…ああ、ちょっと君の部屋の端末を貸してくれ。連絡をとりたい所があるんだ」
そう云うとメイリンは黙って端末を立ち上げてアスランに促した。
「ど、どうぞ…」
「本当にすまない…」
完全にメイリンは怯えていた。夜遅くに見知った男とはいえ、銃を構えたアスランが忍び込めば普通は誰もが驚くだろう。しかし彼女は混乱しているからだろうが、素直にアスランの言葉に従ってくれている。

アスランは借りた端末を使い、ある所へとアクセスした。
メイリンが後ろで不思議そうに見つめているが気にしている時間はなかった。
アスランがアクセスしたのは、軍港にある数多くの格納庫のひとつ、先程議長と面会した場所だった。
しかし、そこのデータを見てアスランは愕然とした。
先程確かにあったあの機体が、データ上では存在していなかった。
つまり、其処には何もない、と表示されたのだ。

「まさか…そんな!」

確かにあるのに、ないと偽装されている。
その理由は判らない。しかしまだアレは公表できないという事なのだ。
シンとアスランに託すと云われた機体は、正式にはザフトには属していない物となる。

「くそ…っ、議長!!」
アスランは思わずデスクを殴り付けた。

「あ、あの…それ、今度ミネルバにくる新しい機体ですよね?」
突然メイリンが云った。
アスランが格納庫のデータと共に新しい機体のデータを不正アクセスして表示させていたのを背後から見ていた彼女が、それを知っている、と告げたのだ。
「何故それを…っ」
「いえ、さっき…評議会から通信があって…ミネルバにと…」
「それで?」
「はい、まだ正式には登録してはいないけれど、軍本部ではなく、評議会直属の機体として扱うと…」
「なんだって!?」

では、まさか。

あの機体は完全に議長の私物で、それを議長にとって『信頼』できる者に託し、争いをなくす為に戦えと。
裏から操ってあの機体を駆る者を暗躍させて議長にとって『敵』である物を滅ぼすつもりなのか。
全てが終わった後でどう処理するかなど、簡単に想像できた。

アスランは硬直した。
本当に、大変な事が起きようとしている。
そう、思った。

刹那、ドアが叩かれて。
通路から衛兵の声が聞こえた。

「ここを開けなさい!」

しまった、とアスランは内心焦りをみせた。
端末の操作に夢中になって通路の向こうへの注意を怠ってしまっていた。

まずい。今開けられればどうにもできない。

ちら、とアスランはメイリンを見た。
「…いいか、君は俺に銃で脅されていたと云うんだ。それなら君は巻き込まれずに無事に済む筈だ」
「…え、アスランさん…っ?」
メイリンとて馬鹿ではない。
今彼が何らかの事情で追われている事は直ぐに判る。
そして最初は驚いたものの、彼は自分を脅したり命を奪おうとはしていない事も。
事情は判らないが、アスランが全て悪い、とは思えなかった。

「早く開けなさい!」
衛兵が声を荒立ててドアを叩く。
「ま、待って下さいアスランさん」
外に聞こえないように小さな声で窓から脱しようとするアスランを呼び止め、メイリンは彼の腕を掴んだ。
途端にアスランが不自然に呻くが、メイリンは必死で気付かずにそのまま彼をシャワールームへと連れていく。
「おい、メイリン?」
アスランが慌てて声を上げるがそれを無視してメイリンは軍服の上着を脱いで急いでノズルを回し、シャワーを浴び始めた。
突然の事にさすがにアスランも動揺するが、直ぐに彼女の行動を理解し、バスタブの中に潜んで銃を構えて待機する。

そしてバスタオルを巻き付けてメイリンがドアの方へとむかっていった。

アスランは息をひそめて、様子を伺う。

今、捕まる訳にはいかないのだ。

例えメイリンを、彼女を望まずに巻き込んでしまっても。
すまないときっと後で後悔するだろう。

しかし今は彼女の行為に頼るしかなかった。
Category [ 時系列(No.04)【茜さす帰路照らされど】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
COMMENT






  
Web 拍手
少しでもお気に召して戴けたならぽちっと 押してあげて下さいw

Web拍手

気紛れでお礼SSを更新中。 お返事は日記の方で不定期にしてたりしてなかったり。 日記へはリンクコーナーからどうぞw。
カレンダー
最新記事以外のログはカレンダー日付からどうぞ。
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
サイトについて
当サイトはガンダムSEED DESTINYの二次創作小説サイトで、シンアスオンリーで活動中です。 女性向の同人的要素満載な上、性描写を思わせるSSも多数UPしております。 (もろそういうのは全てR18裏に隠しております) そういったものが苦手な方、及びシンアスに興味のない方は、閲覧つらいかと思われますので回れ右して下さいませ。 そして学校、会社等の公共施設での閲覧もご遠慮下さい。

現在仮オープン中ですが、いずれ正式に開設予定。 しかしこれからオフ生活が繁忙期に突入な為、 年内の開設はけっこうきつい今日この頃。
ブログ検索
メール
管理人へのご連絡はこちらから。シンアス同志少ないのでいただけると泣いて喜びます。 ご意見ご感想、好きなシンアスシチュ等何でもOKですのでお気軽にどうぞ。

メールフォーム

お返事は余程の事がない限り必ずしております。 シンアスシチュが管理人のツボにはまったら書く可能性大w。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。