1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
スポンサーサイト
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   --/--/--[ -- ] --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Category [ スポンサー広告 ]
茜さす帰路照らされど 4 (#35 ~36)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/10/14[ Fri ] 23:26

「どうだい?。二人ともお気に召してくれたかな?」
「…俺の、新しい機体…っ!」

議長の言葉にシンがまるで大好きな玩具を与えられた無垢な幼子のように笑って、見上げていた視線をMSから議長へとむけて喜んでいた。
「議長…それは…っ」
しかしアスランは喜ぶ事なく感情をぎらつかせて議長を睨み付けるように凝視した。

「この機体は最新鋭でね。まだ何処にもない技術を駆使して作られているのだよ。多分、いやきっと他の者には扱う事は出来ないだろう。君達のような『力』を持った優れた者しか駆る事は無理だ」

機体の説明を淡々と語りながら議長はそれまで浮かべていた微笑を消し去り、真摯な顔つきで凝視するアスランを見返す。アスランは刹那、己の態度に本音が滲み出てしまっていた事を悔やむも、既に手遅れだった。

「シン、君の最新の戦闘データを見せてもらったが、益々スピードを増してきているようだね。インパルスでは性能の限界もあっていらつく事もあっただろうが、これならば思うように動かせる筈だ。何せ、このデスティニーは君が搭乗するのを想定して整備された物だからね」
「そんな…光栄です、議長!。」

議長の賛辞にシンは満面の笑みを浮かべてはしゃぐように喜ぶ。元からアスラン以上に議長の言葉に心酔していたシンにとって、この新しい機体の受領は願ってもいない事だっただろう。

「…そして、アスラン。君にはレジェンドを渡したいと思うのだが…。これは改良されたドラグーンシステムを搭載していてね。空間認識能力に長けていなければ他の者には使いこなせないだろうが、君ならば大丈夫だ。………どうした?」

じっと俯いて言葉を聞いているアスランに、議長は不思議そうに尋ねてきた。
アスランは覚悟を決めたかのように顔をあげて、彼を見つめる。何処か思い詰めた風のアスランに、シンも漸く様子がおかしい事に気付き、そちらを見やる。アスランの隣に居るミーアもまた、アスランの表情を見て不審そうに首を傾げた。

「議長………」
「ん?」
「これは…この機体は…。これから『ロゴス』と戦う為に必要だと、おっしゃるのですか…?」
「アスラン?」

突然『ロゴス』の名をだしたアスランに他の者は皆彼を不思議そうに見た。
しかしアスランは話を続ける。今聞かねば、きっともう直接問う事は出来ないだろう、と。そう覚悟を、決めて。例えこれで完全に自分が疑われても。
アスランはそう決心していた。

「議長は…争いをなくす為に、その争いを謀略で操作する『ロゴス』をなくす為に戦うのだと…おっしゃいましたが…」
「ああ。争いをなくす為に武力をもって戦う、というのはひどく矛盾した論だとは思うが、しかしそうせねば武力を駆使し戦争を裏で操る彼らには勝てないのだと気付いて、ね。彼らを完全に叩かねば争いは永遠に続くだろう」
「………では、議長。ひとつお聞きしても宜しいでしょうか?」
そこで一旦言葉を切ったアスランに、議長は視線だけで先を促した。
「それならば何故議長は………AAを討て、と命じられたのですか?」
「アスランっ。あんたまだそれを………っ」
その言葉にシンが口を挟み、議長もひく、と頬を僅かに引きつらせた。

「彼らはロゴスではないと議長もご存じの筈ではありませんか!。なのに何故彼らを討て、と…。これではまるでAAがロゴスであると認めているようではありませんか!?」

抑えようとしても、一度溢れた思いはそう簡単には堰止められずに。横でシンが、やめろ、と軍服の袖をひいて制止するが、アスランは議長から翡翠の眸を逸らさず問い詰めた。

「確かにあの艦は突如現れ両軍に戦闘停止を呼び掛けては武力を削いでいく。戦場を混迷させていると言われるのは私も同じ想いですので理解できます。しかし、その想いは、我等と何ら変わらない。争いをなくしたいからこその行動であると、議長もご存じではありませんか!?」
「アスラン…」
「私には討伐命令が正しかったのか、今も判りません」
「私の話を聞きなさい、アスラン」

次第に熱くなるアスランの言葉を、議長が優しく、しかし強い口調で遮った。

「…では私からも君に聞きたい」
「………っ」

議長の眸に鋭い光が灯り、アスランはたじろいで口をつぐんだ。

「もし本当に想いが同じというのなら、何故彼らは我等と話し合う場を設けようとしなかった?」
「…っ、そ、れは…」

刹那アスランの全身の血が凍り付く。

「何度も我等は彼らを探し、そして私は繰り返し彼等を含めた全てにメッセージを伝えてきた。ならばこちらの意志は充分に伝わっている筈だ。しかし彼等は話し合う事無く戦場に現れ、一方的に両軍の武装を攻撃して奪っていった」

「………っ!」

議長の云う事は、確かに正論である。アスランの気持ちが彼の言葉に揺らぎそうになる。

「未だ我等に『接触』してこない。それが彼等の答えではないのかね?」

『接触』。
その言葉にアスランは激しく動揺した。

議長は、知っている。
アスランがタリアに密かに申し出て、彼等AAの中枢であるカガリやラクス、そしてキラと密会していた事を知っていて。

知られていないなど甘い考えをもっていた訳ではないが、今この状況ではアスランにはとても不利だ。

「しかし、それは…っ!」
そう叫ぶように云いながらアスランは隣に立つ
ミーアをちら、と見つめる。
堂々と彼等が出てこれないように『贋作』の彼女を用意したのは一体誰か、とアスランは問い詰めたくなる。
アスランに視線を向けられたミーアが困惑して議長を見つめて俯いた。
「…ん?。ああ、ラクスもこうして私の想いに賛同して共に戦おうとしているのに」
アスランとミーアの視線に気付いた議長がさらりと『偽物』を『本物』だと言い切った。しかしその真実を知っているアスランは愕然として。
思わず身を乗り出してしまうのをシンが慌てて抑えこむ。
シンは二人の会話の裏に隠された事を知らず、ただ沈黙して聞いているだけだった。
こんなアスランは初めて見たかもしれないと。そう思いながら。

「………君の憤る気持ちもよく判る」
「………っ!?」
「何故こんな事になってしまったのかと。先の大戦で多くの物を失い、それでも同じ過ちを繰り返したくないからと頑張ってきた君の事だ。この現状が耐えられないのだろう?。ならば判る筈だ。争いをなくす為に必要な事は何なのか、を」

その言葉の裏には、だから私の指し示す道を進め、と。議長によって決められた道を『戦う力を持つ者』として進めばいいと。
そう告げていた。

つまりは、議長は始めからアスランを『戦士』としてしか必要としていなかった、という事だ。

「その為にもあの艦は討たねばならなかった、と私は思うがね。例え思いは同じでも、戦乱を止める行いと、戦況を困惑させる行いでは、どちらが今この世界に…いや、アスラン、君の望む世界に必要だと思う?」

アスランはもう議長に反論する余裕すら見失っていた。

駄目、だ。
もうこれ以上は、話してもこちらの思いは通じない。

「だから私は、我が元で同じ思いを抱き、前を見つめて歩む君達に期待しているのだよ」
「っ、は、いッ!」
そう締め括る彼の言葉にシンは気持ちを引き締めて敬礼を返した。
アスランは完全に言葉をなくし、俯いたままで。



やがて議長は二人を置いてミーアを伴って格納庫を後にした。
その場に残されたシンは与えられた機体を嬉々として見上げ、アスランは固まったまま足元の床を睨むように見つめ。

問い詰めようとしたのは、これが最後だと思ったからだった。
自らの立場が危険になると判っていても、そうするしかなかった。

しかし、議長にはアスランの想いは通じる事無く、粉々に砕かれた。

アスランは今自分が立つこの場が崩れていくような錯覚に陥っていた。
Category [ 時系列(No.04)【茜さす帰路照らされど】 ]
Thread Title[ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY ]   Thread Theme [ アニメ・コミック ]
COMMENT






  
Web 拍手
少しでもお気に召して戴けたならぽちっと 押してあげて下さいw

Web拍手

気紛れでお礼SSを更新中。 お返事は日記の方で不定期にしてたりしてなかったり。 日記へはリンクコーナーからどうぞw。
カレンダー
最新記事以外のログはカレンダー日付からどうぞ。
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
サイトについて
当サイトはガンダムSEED DESTINYの二次創作小説サイトで、シンアスオンリーで活動中です。 女性向の同人的要素満載な上、性描写を思わせるSSも多数UPしております。 (もろそういうのは全てR18裏に隠しております) そういったものが苦手な方、及びシンアスに興味のない方は、閲覧つらいかと思われますので回れ右して下さいませ。 そして学校、会社等の公共施設での閲覧もご遠慮下さい。

現在仮オープン中ですが、いずれ正式に開設予定。 しかしこれからオフ生活が繁忙期に突入な為、 年内の開設はけっこうきつい今日この頃。
ブログ検索
メール
管理人へのご連絡はこちらから。シンアス同志少ないのでいただけると泣いて喜びます。 ご意見ご感想、好きなシンアスシチュ等何でもOKですのでお気軽にどうぞ。

メールフォーム

お返事は余程の事がない限り必ずしております。 シンアスシチュが管理人のツボにはまったら書く可能性大w。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。