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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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最後の幸福 1
TB[ 0 ]   CM[ 0 ]   Edit   2005/09/11[ Sun ] 17:35
「こういうの、シアワセ、って云うのかな…」



今だセックスの余韻が抜け切らない身体を気怠げに投げ出していたシンが、ぽそ、と呟く。

すると、シンの身体の下で先程まで荒々しい吐息をはいていたアスランが眉をひそめて、力任せに彼の頭をこづく。イカされすぎて、ぐったりとしていた身体の、どこにそんな力が残っていたのか、と思う位、強い力で。
「お、まえ…。人を、さ、んざ…んいいように、して、…そんな事、云う、か…?」
まだ息は整わないらしい。切れ切れに紡がれた言葉と共に翡翠の眼が細められて、睨まれた。

「あ、ごめんなさい」
本気で謝る馬鹿が、何処にいるんだ。この流れで謝る方が普通はひどくはないか?。謝る位なら否定するなり、誤魔化すなりするだろう。普通。
内心毒づきながらもアスランは深く、深く溜息をついて、下からシンをぎゅう、と抱き締めた。されるがまま抱き寄せられた彼の吐息が胸元に触れて、心地よい。

「………で?。なんで急に、そんな事云いだしたんだ?」
アスランは胸元に顔を埋めているシンの黒髪を優しく梳きながら問い掛けた。何かに思い詰めているのか、シンはなかなか直ぐには話さない。言葉がうまく見つからないのかもしれない。でも、馬鹿正直な恋人の事だから、しどろもどろになりながらも答えてくれるだろう。

そんな、小さな、絶対的な、信頼。
………返答によっては、拳が飛ぶかもしれないが。

「………ん、や、………シアワセ、って」
「幸せ?」
「………俺、暫らく………そういうの、忘れてた、から………」
「………………」
今度は、アスランが、沈黙した。
そうだった。シンは、目の前で………家族を、幸福の象徴を、全て失っていたのだ。
想いを通わせ肌を重ねるようになって極最近ではあるけれど、自分の視界に映るシンはいつも嬉しそうだったから、不謹慎にも忘れていた。
まだ16才の少年が、その悲しみから癒されるには幼すぎるし、時間が足りない。アスラン自身も経験のある悲しみだから、それはよく判る。
「シン………お前」
「あ、ごめんなさい。………別に深い意味はないんだけど………ただ」
「いや、いいよ」
深い意味はない。それは、自分との関係に不満があるとか、そういう事ではないという意味だとアスランは直ぐに気付いたから優しい声音でシンに続きを促した。
「………あの日から、ずっと独りだった、から…」
完全に孤独だった訳ではない。レイやルナマリア達がいたから。でもオーブに居た『幸福の時間』とは又違った。今は仲間でも、いづれは戦友となり、………失う可能性も、あるから。
それに仲間で癒されるほどシンの負った傷は浅くない。
傷が深すぎて、何かを求めて貪欲すぎて。

アスラン、という、思い人を手に入れてからも、『幸福の時間』を無理矢理終わらされたあの日から初めて本気で欲しがった存在を得てからも、またいつか失うかもしれないという不安は心の何処かに無意識に残っている。

「………俺」
胸元に顔を埋めたままのシンの肩が小さく、震えた。

「俺は、幸せだよ」

シンの頭ををぎゅっ、と両手で抱き締めてアスランが囁いた。表情を隠したままの黒髪に唇を寄せてひどく優しい声で囁き続ける。
「俺は幸せだよ。お前が居てくれて、幸せだよ」
シンの肩が又小さく震えた。アスランの胸元に埋めていた頭をすりつける。
「…俺も、沢山失くしたけれど…でも今、生きてる」
手を動かして、俯いたままのシンの顔を自分に向けさせて。

「生きて…お前に、出会えた。」

シンの眸は更に赤みを帯びて潤んでいた。顔を見られる事を嫌がることもなく、じっとアスランを見つめて言葉に耳を傾けている。

「だから………俺は幸せだよ」

そう云って微笑んだアスランはとても綺麗で、本当に、幸せそうだった。

アスランとて、シンとよく似た境遇だ。それはシンも知っている事だし、シン以上に辛い経験を沢山している事も知っている。
母を殺され、父に裏切られ、撃たれ、殺されて。
そして、彼にとって『幸せの時間』の象徴でもある、親友と、憎しみ合い、殺し合いを、した。
大人びていてもアスランもまだ18才で、傷を癒すにはまだ若い。
今も時々一人で辛そうに思い悩んでいるのを知っている。
シンと同じく、過去に囚われている事も、知っている。

でも、その彼が、幸せだと。
シンに出会えて、幸せだ、と。


そう………云ってくれた。


「ア、スラン…さ、ん」
「アスラン、でいいと云ってるだろ」
途切れがちになりながら名を呼ぶシンに、敬称で呼ぶなとアスランが困ったように笑った。
こんな、二人きりの時くらい名前で呼びあいたいから。

「………アスラン」
「ん」
名を呼ばれてアスランは今度こそ嬉しそうに首を傾げた。
Category [ 時系列(No.00)【番外編・短編集】 ]
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