2
3
4
5
6
7
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
スポンサーサイト
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   --/--/--[ -- ] --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Category [ スポンサー広告 ]
戦後シンアス貧乏物語【世界の果てで待つもの】01
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2009/06/08[ Mon ] 21:08
「何ですかこれはーーーッ!」


シンの絶叫が、広大な大地に響き渡った。






突然告げられた、脱走命令。

シンがこれから向かうのは、永遠に出られない牢獄の中ではなくて。この広い宇宙空間で何処に居るかも判らない、お尋ね者となったアスランが身を潜めている場所。
もう一生会えないだろうと思っていた人、アスランが待つ何処か。シンが向かうのは彼の元。
考えてもみなかった結果に、しかもいきなり言われたのでは混乱しない訳がない。しかし、それをシンの頭が理解するより先に、キラはさっさと行動に移してしまった。
「ちょっ、ちょっと待って下さいよ!今からですか!」
「そうだよ?君が言ったんだからね。アスランの所に行きたいって」
「言ってません!」
「嫌いじゃない、ってさっき言ったじゃない」
「そ、そうですけど、でもっ!」
それはアスランの事を嫌いじゃないと言っただけで、アスランの所に行きたいと言った訳じゃない。
いや、会いたいけれど、でもまだ心の準備ってものが!
状況が飲み込めずすっかり錯乱してしまったシンは、牢の向こう側のキラに食ってかかった。
脱走命令を下された時点で、アスランとの会話は強制終了されている。待ってるぞ、と暢気な言葉をアスランは言っていたような気がするが、それどころじゃないシンの頭は一切覚えていない。
鉄格子を握り締め、ギャンギャンとかつての宿敵に向かって吠えまくる。しかしキラはシンが何かを言う度にいちいち反論し、何の躊躇いもなく牢の扉を開けた。
「アンタ本気ですか!」
キラの行動に仰天したシンが叫ぶ。
今やラクスの片腕としてザフトに加わり、其れなりの権力を持ったキラが、シンの脱走に加担するのは大変な事だ。しかもそれがバレたらかなりヤバいに決まっている。
キラの事は今も嫌いだけれど、それでもやっぱりこの状況は、幾らシンだって慌てる。
「シン君?」
けれど、シンの心配をよそに、キラは笑みを湛えたまま牢獄に入り、近寄ってきた。ついでに従者の兵士も。
「時間がないって、何回も言わせないでよ?」
ゾッとした。顔は笑ってるのに、目が笑ってない。
にっこり笑顔で顔を近付けてるのが、却って怖いんですけど!
この人本気だ、と本能的に恐怖を感じた。思わずキラに怯えたのをチャンスと判断したのか、シンは一瞬の隙をつかれて。
「ング!」
一緒に入ってきた兵士が背後に回り、シンを羽交い締めにする。そして隠し持っていた布切れで口を覆い、シンは何か薬品を嗅がされた。
「ンー!ンー!」
「安心して。只のクロロホルムだから」
「ンー……ッ」
只のって、そんな問題じゃない。というか随分物騒じゃないか。これじゃまるで脱走というより……。
幾らでも文句は出てくるけれど、意識はあっという間に遠くなっていく。朦朧となる中で、キラがこれまた最高の笑顔でシンに話し掛けて。

「ちょっとだけ効き目強くしてあるから、アスランの所に着くまで目覚めないと思うけど」

と、とんでもない事を宣告された。


何も反論出来ないまま、シンはキラの目論見通りに直ぐ様気絶した。






そうしてシンはキラの手助け?でザフトを脱走し、アスランが待つ何処かに連れていかれる事となった。
目が覚めた時には既に其所に目的地に到着しており、どういった経路で牢屋から出られたのか、いつの間にシャトルに乗せられたのか、全く覚えていない。
「着いたぞ、降りろ」
シャトルに同乗していたらしい人に叩き起こされる。同乗者はシンの知らない人で、キラは当然シャトルには乗っていなかった。
あのフリーダム野郎!人をいきなり気絶させて、拉致まがいの脱走をさせやがって!そんで自分はやっぱりついてこないのかよ!と。とんでもないやり方に段々と腹立たしくなってくる。
「ボケッとしてないで、さっさと降りろ!」
まだ半分呆けながら、此所には居ないキラに立腹していると、顔も知らない同乗者に座席からつまみ出された。
「其所で大人しく待っていろ」
「え、でも……」
「その内直ぐに迎えに来る」
理解出来ないままシャトルから叩き出され、よく判らない場所に無理矢理降ろされた。そして其所で待っていろと言い残し、非情にもシャトルは直ぐに飛び去ってしまったのだ。

「ちょっと……」

一人取り残されたシンの目の前には。

「……ここ、何処?」

地平線の向こうまで、見渡す限り何もない広大な荒れ地。

「何ですか此所はーーーッ!」

何処までも広がる荒れた大地にシンが絶叫して。


そうして話は冒頭に戻る訳だが。




アスランさん。

俺はアンタに会いたかった。
会って変わりたかった。始めからやり直したかった。
アンタと一緒なら、変われるって思ってた。

でもアンタは居なくなって。俺も軍に捕まって。
もう……会えなくなって。

だから、諦めた。
どうでもいいって、全部諦めた。アンタに会えないなら、何にも変わらないって。
諦めたんだ、俺は。

でも、さ。
諦めてたのに、会えるかもしれないって。アンタにまた会えるって。一緒に暮らさないかって。
そりゃちょっとは期待するでしょう。アンタに会えるのをずっと夢見てたんだから。アンタに言いたいこと、あったんだから……。

けど、でも!

何だよコレは!


「アンタって人はぁーーーっ!」


全然状況が飲み込めなくて、全然知らない土地に一人置いてきぼりで。しかも此処は何処までも果てしなく荒れ地で。

全部、全部、アスランさん、アンタに会うってだけで!

何で俺がこんな目に合わなきゃいけないんですか!


と、シンがこれまでの怒りを全部アスランになすりつけて、だだっ広い空に向かって吠えた時だった。




「シン、ようこそ」


と、アスランがいきなり現れた。




荒れ果てた地面、シンの足元。




アスランが、ひょっこりと顔を出していた。
スポンサーサイト
Category [ 戦後シンアス貧乏物語 ]
戦後シンアス貧乏物語【シン、脱走】02
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2009/06/01[ Mon ] 23:03
「アンタ……何で……っ」

やっとの事で絞り出せた声音は、奇妙に枯れていた。

『……驚かせてすまないな、シン』

思わぬ形での再会、しかも直に触れ合える距離じゃなくて、冷たいモニター越しの対面。驚愕の眼差しを向けるシンに、画面に映るアスランは苦々しい表情で微笑した。その顔を見て、ああ、と実感する。
「アスラン、さ、ん……」
眸に映るその表情は、昔よく見た顔。困ったように笑う、シンがよく知る顔。小さなモニター越しでも、クリアな音声じゃなくても、アスラン・ザラに間違いないと。
ヤキンの英雄と称賛された者。二度もザフトを脱走した裏切り者。シンがかつて憧れた者。
彼は戦後オーブに残るかと思われたが、ザフトに出戻っていたのを問題視され、オーブに居られなくなった。亡命を受け入れてくれたオーブを出て、ザフト兵として再び敵対したのだから、あちらでも罪に問われるのは当然だった。アスランが二度目の脱走をし、またオーブに流れた原因の一端はシンにもあるのだから、それに関しては何も言ってやれない。否、言う権利もない。
国家元首であるカガリ・ユラ・アスハの助力で、アスランは幸いにも裁判になる前にオーブを出国した。だがその後行方知れずとなった、とシンは風の噂で聞いていた。
その彼が、今何故かシンにコンタクトを取ってきたのだ。驚かない訳がない。
「アンタ……ッ、今何処に居るんですか!」
思わず大声で怒鳴り付けていた。シンからすれば当然気になる事だったが、尋ねられたアスランはといえば。
『……それは、言えない』
と、複雑そうな顔をしたまま首を横に振るばかりで。何故!と再度聞いても苦笑して誤魔化された。
「何で言えないんですか!」
『シン……』
心配をかけまいとしたのか、それとも別の理由か。どちらにせよ曖昧な態度で答えを拒否し続けるアスランに、シンの感情は逆撫でされる一方だった。
「アンタって人は……っ!」
シンが大きく吠えた時、それまで静かに二人のやり取りを見守っていたキラが口を挟んできた。
「シン君、アスランの居場所は教えられないんだ、まだ」
『すまない……シン』
「何でですか!」
シンは目の前に居るキラとモニターに映るアスランを交互に睨み、何故言えないのか怒声を上げた。
「シン君、静かにして。騒ぐと外に聞こえるから」
しかし直ぐ様キラにきつく注意され、それ以上は閉口するしかなかった。
確かに余り下手に騒げば、牢の外にまで気付かれるだろう。しかもシンと会話をしているのが行方不明となったアスランならば、二人の対話を仲介したキラの立場が不利になる。幾ら頭に血が昇っていても、それ位はシンにだって判る。
ザフトに追われ、オーブからも捜索され、それだけ現状のアスランの立場は危険なのだ。
「時間が余りないから手短にね」
シンの怒りが沈静化したのを見計らい、キラはアスランに話をするよう促した。ああ、とモニターの向こう側で頷き、挨拶もそこそこにアスランはシンに語り始めた。
『キラから聞いたんだ。色々と大変だったな……お前も』
「…………」
シンの境遇を心配する言葉を口にするアスランに、しかしシンは何も言わなかった。言った所で何か変わる訳でないし、この人に会える訳でもないから。
『俺からキラに頼んだんだ。移送される前にお前と話をしたいと』
アスランの言葉を受けて、シンが目を丸くする。
「アンタが?俺と?」
だってアンタ、居なくなったじゃん。あの最後の戦闘の時俺を吹っ飛ばして、でも月面までわざわざ救助しにきてくれて、その後オーブの慰霊塔の前で会ったっきり、アンタ居なくなったじゃん。
俺はアンタを撃ったのに、アンタも俺を討ったのに。俺はずっと気にしてたのに、アンタは何も言ってくれなくて。そのまま居なくなって。
ああ、俺ってその程度の存在だったんだって。アンタには部下の一人でしかなかったんだって。
なのに、俺と話がしたいって、なに?
シンの中でぐるぐると感情が空回りする。ずっと秘めていた想い、でも、言えない。言っても、もうどうしようもない。
『お前は何も悪くないだろうに』
悪くない?本当に?だって俺はアンタを倒そうとしたんだよ。議長に従ったんだよ。何でそんな事が言えるの。
『これからどうするんだ?』
どうするって、どうにもならないじゃないか。もう決まったんだ、俺の将来。もうどうでもいいんだ、俺の未来。
アスランが何かを言う度にシンは心の中で反論し続けた。声に出して喋った所で、シンの処遇も今後の生き方も変わる訳ではないと諦めて。
アスランは知らない。
アスランが居なくなったという知らせが、シンにどんな影響を及ぼしたのかを。
恐らくは一番シンを判ってくれるであろう彼が、一番シンを判って欲しかった彼が、行方不明となった一報はシンを自暴自棄にさせたのだという事を。
だから、全て拒んだ。罪を免れるかもしれない結果を、それをもたらしてくれようとした救いの手を。
『お前は本当にこれで良いのか?』
良い訳、ないじゃないか。本当は、俺だって。アンタと……いや、もういいんだ。
シンは心の中で呟くのを止めた。戦犯としてこれから監獄に収容されるのだ。もうアスランと話す事もないだろう。今更遅いのだと、そう考えたからだった。

『シン、俺の所に来ないか?』

だから、一瞬何を言われたか理解出来なかった。
自分の気持ちを整理するのに必死だったから。

「…………え?」

思わず聞き返せば。

『一緒に住まないか?』

信じられない言葉が、アスランから告げられた。

「アンタ……何言って……」
つい先程彼は居場所を教えられないと、確かにそう言ったのに。
シンが躊躇していると、またキラが二人の会話に加わって。
「アスランが今何処に居るかは教えられないけど、君が行くのなら教えてあげられるよ」
その言葉に、そういえば、と思い返す。さっきこいつは、まだ、と言わなかったか。余りにサラリと言ってのけたから聞き流していたけれど。
つまりはシンが行かないのなら当然居場所は教えられない。行くのならば教えてあげられる。全てはシンの答えにかかっているのだと。
「…………」
『シン、どうだ?』
絶句したシンに、アスランは言った。
行き場を無くした者同士一緒に暮らさないか?と。
予想外の展開に、頭がついていかない。モニターの前ですっかりフリーズしてしまったシンに、キラは容赦ない言葉を投げ掛ける。
「悪いんだけど、今決めてくれる?」
「い、今!」
考える猶予を与えぬ発言にシンが大声を上げると、キラは、静かにして、と注意して。
「時間ないってさっき言ったよね?」
と、爽やかな笑顔を浮かべて、シンに早く答えるよう脅してきた。
確かにシンを移送する時間は迫っている。のんびりアスランと話をしている余裕などない。だが、シンの未来を変えるかもしれない重要な決断を直ぐにしろとは、幾ら何でも酷すぎやしないだろうか。
「そんな急に言われても……」
『シン』
答えに詰まり狼狽えていると、不意にアスランがシンの名を呼んだ。

『俺の事が嫌いなら断ってもいいんだぞ?』

嫌い、って。

ああそうか、俺いつもこの人に逆らってばかりだったから。嫌ってるって思われてたんだ。

無理もないけど。

「嫌い……じゃ、ないですけど……」

寧ろ……と本心を言いかけて、キラに邪魔をされた。

「じゃあ決まり。シン君、これから脱走だから」


脱走。

ええと。

エーーー!



この瞬間、シン・アスカはアスラン・ザラと同じ脱走兵という肩書きを背負う羽目になった。
Category [ 戦後シンアス貧乏物語 ]
Web 拍手
少しでもお気に召して戴けたならぽちっと 押してあげて下さいw

Web拍手

気紛れでお礼SSを更新中。 お返事は日記の方で不定期にしてたりしてなかったり。 日記へはリンクコーナーからどうぞw。
カレンダー
最新記事以外のログはカレンダー日付からどうぞ。
05 | 2009/06 | 07
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
サイトについて
当サイトはガンダムSEED DESTINYの二次創作小説サイトで、シンアスオンリーで活動中です。 女性向の同人的要素満載な上、性描写を思わせるSSも多数UPしております。 (もろそういうのは全てR18裏に隠しております) そういったものが苦手な方、及びシンアスに興味のない方は、閲覧つらいかと思われますので回れ右して下さいませ。 そして学校、会社等の公共施設での閲覧もご遠慮下さい。

現在仮オープン中ですが、いずれ正式に開設予定。 しかしこれからオフ生活が繁忙期に突入な為、 年内の開設はけっこうきつい今日この頃。
ブログ検索
メール
管理人へのご連絡はこちらから。シンアス同志少ないのでいただけると泣いて喜びます。 ご意見ご感想、好きなシンアスシチュ等何でもOKですのでお気軽にどうぞ。

メールフォーム

お返事は余程の事がない限り必ずしております。 シンアスシチュが管理人のツボにはまったら書く可能性大w。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。