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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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永遠のパズル 6 (#33~34)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/09/29[ Thu ] 23:03

ベッドに突っ伏して暫らく思考を巡らせて。一体どれ位の時間を過ごしていたのか。

ふ、と我に返った時、アスランを呼ぶ声が壁に設置されたインターフォンから聞こえていた。
ぼんやりと視線を向けるとインターフォンの横に埋め込まれたモニターに見知った少女が映っている。
『アスラン』
ルナマリアだった。何度も呼び掛けていたらしい彼女の表情は、返答がない事に不安げだった。
散らばらせていた思考を掻き集めてアスランは、いつもの、彼女達に見せる『アスラン・ザラ』の顔に戻すと、インターフォン越しのルナマリアに答えた。
「…ああ、どうした?」
『よかった、いらっしゃったんですね』
「何か用でも?」
『ぁ、いえ…そろそろ食事の時間ですから、一緒にどうか、と思って…』
少し冷たい受け答えをしてしまったかとアスランは一瞬躊躇ったが、ドアの向こうの彼女はさして気にする訳でもなく。
『行きましょう、アスラン』
少々強引かと思えるような口調で誘い出す。そんな挑発的な態度は今に始まった事ではない。然程腹が空いた訳ではないが、先日も誘いを断ったばかりだ。これも付き合いかと思い直してアスランはドアを開けた。



メニューは少ないものの、簡単なバイキング形式の食堂でアスランはルナマリアに連れられて食事をとろうと空いたテーブル席についた。食事を取るには少し遅い時間だったからか、辺りに人影は殆どなく、数人しか居なかった。
アスランの向かいに座ったルナマリアがちら、と彼の選んだメニューを見やる。トレイに乗せられたそれらは余りにも量が少なかった。
「アスラン、それで足りるんですか?」
「え?、ああ。然程空いてないからな…」
そう云いながらアスランはフォークを手に取りボゥルの中に盛り付けられた野菜を突く。本当に食欲がないのか、その動きはかったるそうに思える。
「でも、最近殆ど食べてないでしょう?」
ルナマリアが聞いてきた。一瞬、アスランのフォークを動かす手が止まる。
「え?…あぁ、いや…」
「この間も部屋から出てこないで…心配したんですからね」

誤魔化そうとした時、彼女の言葉にアスランを取り巻く空気が、凍り付く。

それ、は、あの悪夢のような。
シンに、犯され、汚された、日の事。

鮮明に記憶が甦ってくる。
震えそうになる手を必死で抑えて、アスランは努めて冷静を装って言葉を返そうとした。しかし、喉が張りついたようで、何も云えなくて。
そんなアスランの様子にルナマリアはやはり、といった表情をしてみせた。

「…何か、あったんですか?、あの日…」

おかしいとは思っていた。『セイバー』を撃墜された日からアスランの様子が明らかに以前とは違っていたし、その上シンとも一時期は和やかな雰囲気を保っていたのが急に不安定なものになっていったからだ。
シンのひどい変わり様も気になっていたが、ルナマリアにはそれとアスランの異変に直結する事はまだこの時点では判らなかったけれど。
しかしいきなり核心を突かれてアスランの顔色は一気に青ざめた。普段ならば絶対に見せない上司のそんな様子に、逆にルナマリアが慌ててしまう。
「と、とにかく…ちゃんと食べないと駄目ですよ…アスラン」
何とか言葉を繕ってみせるとアスランも漸く停止していた思考が回り始めた。
「…ぁ、ああ…すまない…」
何とか絞りだしたその声は、語尾が消え入りそうな程切なく聞こえた。

アスラン自身元からそんなに食べる方ではなかったが、確かにあの日以来更に食が細くなっていたのは自覚している。
友に墜とされ、彼に汚されたあの日から、精神的にも肉体的にも追い詰められ、ショックと疲労で丸二日は何も喉を通らなかったし、漸く食べられるようになった今でもつまむ程度しか食べられない。
その上シンに犯され散らされた部位がろくに手当ても出来ないままに癒える事なく今も犯される為に完全に熱を持っていて化膿している。その為身体も怠く感じられた。

でも、この事実だけは知られてはならないから。
アスランは必死に微笑みを浮かべた。

「…大丈夫、だから…心配しなくていい」

そう云って、微笑う。

その痛ましい微笑みに、ルナマリアは何も云えなくなった。

どうして。この人は、こんな風に笑う人だったろうか。
こんな、怯えるような小さい存在だったろうか。
こんなにも、細く見える人だった?。

今ルナマリアの眸に映るアスランは、とてもはかなくて。
泣きそうになった。

「………は、い」
堪えて俯くとアスランがまた、はかなく微笑う。

その後は二人、無言だった。黙々と手を動かしてそれぞれのトレイのものを食す。
やがて食事を終えて席を立ったアスランに未だ席についたままのルナマリアが上目遣いで見上げて云った。

「………そういえば」
「何だ?」
話し掛けておいて言い淀む彼女に対しアスランはその先を促す。
「デストロイ戦から戻ってきてから………シン、部屋に籠もったままだそうです…レイと二人で」
また、アスランが動揺を見せたが、彼女は躊躇いながらも云い続けた。
だって、これだけは云わなければ、と。必死にそう考えて。
だって、これはアスランにも、否、アスランだからこそ云わなければ、と。

「ずっと…シュミレーション、してるみたい…です。『フリーダム』の戦い方を………」

その言葉が鼓膜に伝わった瞬間、アスランは眸を大きく見開いて手に持っていたトレイを乱暴にテーブルに置き、突然人が変わったかのように走りだしていた。
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Category [ 時系列(No.03)【永遠のパズル】 ]
永遠のパズル 4 (#33~34)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/09/28[ Wed ] 23:18

連合軍の新型巨大MS『デストロイ』を何処からか現れた無属籍軍のMS『フリーダム』が破壊した。

多分後の未来の公式データにはそう記されるのだろう。
形として残す事は至極簡単で、それを知る側も簡潔に表面しか知らぬだろう。

しかし今。その光景を見つめ、識ってしまった者はどう思うのか。

シンにとっては、『ステラ』を『アスラン』のかつての仲間であり、彼を墜とした『キラ』が殺した、と。
アスランにとっては、『シン』が守ろうとした『ステラ』を『キラ』が殺してしまった、と。

そう、認識せざるをえない。

例え、『デストロイ』から辛うじて救出された『ステラ』が、ミネルバに監禁されていた所為で寿命を縮める結果となり、もう生体部品として『廃棄』寸前だったとしても。
その為にはかない命が燃え尽きたとしても。

『キラ』が『ステラ』を殺した、としか。



そうして、更なる悪夢は、訪れる。







「………キ、ラ」
レクルームに置かれたモニターに映された外部映像を食い入るように、しかし茫然と見つめていたアスランはたった一言、彼の人の名を呟いた。
空を駆るべき機体を失ったアスランは出撃待機するアラートに足を踏み入れる資格すらなく、それでも戦況が、出撃したシンが、気掛かりで。
今唯一許されたこの場所で戦いの行く先を見ていたのだった。

だが彼を愕然とさせたのは圧倒的な力で凍てつく街ベルリンを破壊するMSでもなく、その地獄のような無残な都市の残骸でもなく、…急に戦意を喪失し『デストロイ』に立ち向かえなくなったシンの事でもなく。突如鬼神のように舞い降り、今また戦況を掻き乱し、そして『デストロイ』を破壊させた『フリーダム』、キラの存在だった。

急激に指先から熱が失われていく錯覚に陥り、息が止まりそうだった。
隣でアスランと同じモニターを見つめ、彼とは違いシンの様子に目を凝らしているルナマリアの存在も、レクルームに集ったクルー達の存在も、少し離れて壁に寄り掛かりながらモニターを見ている『アスラン』を冷たい眸で見つめているレイの存在も、今のアスランには別世界の者だった。

キラ。
何故。
キラ…。


『キラ』。それしか、なかった。


愕然とモニターを見つめたまま立ち尽くしていたアスランを我に戻したのは、破壊され動きを止めた『デストロイ』のコックピットから救出された『ステラ』と、間もなく息を引き取った彼女の亡骸を抱き明々と燃え盛る炎に包まれた瓦礫の街を涙を流しながら歩く、シンの血の色に染まった眼差しだった。

悪夢、だと思った。
眠らないままに悪夢を見せられたと。

やがて亡骸と共に『インパルス』に乗り込みシンは何処かへと消えていく。
その情景を見て騒然となる艦内。しかしアスランは黙したままで。
「アスラン…っ」
隣に居たルナマリアがシンの行動に驚き、アスランに困惑した視線を向けた時、彼の身体は力を失って崩れかけた。
「アスラン!?」
女性であるルナマリアに腕を支えられて辛うじて倒れそうになるのを踏み止まれた。
「…っ、す、まない」
「大丈夫ですか!?」
「ぁ、ああ…大丈夫だ」
しかし顔色は恐い位に白い。完全に血の気を失った色だった。ルナマリアは彼の顔色と、掴んだ腕の感触にたじろぐ。
「…でも。医務室に行った方が…」
「いや、少し…休めば治るから…」
支える彼女の手をやんわりと払い除け、アスランはレクルームから立ち去った。
しかし残されたルナマリアは自分の手に感じた違和感が拭い去れない。上官であるアスランの異変に初めて気付いてただ呆然としていた。



「もう、恐いモノは…ないからね…」
白い花弁のような雪が音もなく降り続く。
「だから…此処で、安心して眠って…」
湖水に一瞬浮かび、やがて沈みゆく亡骸。
まだ少し暖かった肌は雪で凍り今では硬く冷たい。
透明度の高い湖水は沈んでいく彼女をいつまでも見る事ができて。
「………おやすみ、ステラ」
シンの涙が、彼女を冷たく包む湖水に零れ、ひとつになる。
せめて今落ちた涙だけでも彼女を暖めて下さいと。

そう願いながらシンは泣いた。

「君が恐いと思うモノは全部俺が壊してあげるから………」

そう呟いたシンの眸に何か、が宿る。


そう。全部。壊すんだ。

戦争を仕掛ける『敵』も。
戦場を混乱に包むあの『死の大天使』も。
ステラを壊した『フリーダム』も………その機体を操る、『アスラン』の大切なトモダチだという『キラ』も。

全部。全部。全部。
俺が、壊してあげるから。

そして、シンは目覚める。

鬼神として。

かつてアスランが愛した鋭いけれど暖かい柘榴の色は憤怒に支配された、血の色に変わっていた。
Category [ 時系列(No.03)【永遠のパズル】 ]
永遠のパズル 5 (#33 ~34)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/09/28[ Wed ] 23:15
アスランは自室で独り、たたずんでいた。
思考は完全に停止して、脱け殻のようにベッドに静かに横たわっていた。
俯せになった姿勢で顔を枕に沈めたまま。

もう、判らない。
幾ら考えても、幾ら思い出しても。
何も判らない。

キラはきっと殺す気などなかった。
かつての大戦でもお互いの友を討ち、お互いを殺そうとした過ちに気付いて以来『不殺』を信念としている彼は。
しかし巨大な悪魔の暴走を防ぐ為にした事は、例えその気がなくとも結果論としてステラを殺してしまった原因のひとつ、だ。
それだけが全てではないけれど、しかしきっとシンにはキラが殺したと映るだろう。
キラをよく理解している筈の自分ですら、そう見えたのだ。

不意に墜とされた時の記憶がアスランを襲う。
あの時の自分は本気でキラを止めようとしていた。彼が行なおうとしている事を、必死に止めようと。
しかしキラの言葉に動揺し集中力を欠いたのは事実だ。それが撃墜に繋がった事も判っている。
だが…自分は今、生きている。
『不殺』の彼だからこそ出来る業でもあるだろうが、今になってアスランは思った。
MSの機能性の違いもあるのだろうが、『デストロイ』に対しての攻撃は余裕が見られなくて。結果悲劇へと繋がった。
しかし自分は生きている。生かされている。

「俺は…」

枕に顔を埋めたままアスランは呟く。
キラに生かされたのか、それとも持つ力全てをぶつける程の価値がないのか。

しかしそう思うのは自ら戦うしかすべがない『戦士』だと認める事になる。それでは変わろうとした己の意志を全否定する事に繋がる。
そんな考えに至り、苦し紛れに眸をきつく閉じて。

「…俺は、戦うだけの、存在じゃない筈だ…」

自らそう決定付ける結論に必死で抗う。

せめて、願いたい。

友だから、『不殺』を貫く意志を抜きにしても、この命を散らせたくはなかったと。
まだ今からでも道は正せると。

今でも己が願うように、キラも同じだと。

そう願いたい。

「…俺は、………戦うしか出来ない訳じゃない………」

そうだ、と。何かしたくて、出来る限りの事をしたくて、彼らの手を振り切ってまでザフトに復隊しミネルバに今もいるのだ。

戦うだけしか己は出来ないのか。

否、そうではないと。

アスランは漸く迷い囚われる闇から這い上がる何かを掴んだような気がした。





やがて何処かへ消えていったシンがふらりと舞い戻ってきた。

インパルスが格納庫に収められ、シンがコクピットから出てきた時、整備クルー達はシン失踪時と同じく騒然となった。
凍り付きそうな程冷えた、赤のパイロットスーツはたぶんステラの物であろう血がこびりついていて。
そして…シンの眸はどこか濁ったような血の色彩を湛えていた。以前の彼とは明らかに違う、殺気に溢れた目付きに周囲はかける言葉も失った。

「…シン、大丈夫か?」
「………ああ」

ただ一人、レイを除いて。
整備クルー達がシンの様子に怯え、彼をを避ける中、格納庫にふらりと姿を現したレイがシンに近寄った。
「お前に見せたい物がある」
「見せたい物?」
「ああ、後からでいい、部屋に来たら見せよう」
「判った」
たったそれだけの会話をしてレイはまた何処かへと立ち去った。しかしその眼光は鋭く、何かを確実に秘めていた。



今、何かが蠢こうととしている。生まれ変わり、そして食い破ろうと足掻き始めている。

それが何なのか、シンも、アスランも今は判らない。
しかし、それが目覚めるのはもう直ぐ其処まで迫っていた。
Category [ 時系列(No.03)【永遠のパズル】 ]
唇から媚薬 完結
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/09/25[ Sun ] 22:57
R18裏に「唇から媚薬」の続きをUP致しました。
とりあえずコレで終わりです。

というか、やりっぱなしなお話になっちゃいましたorz。
ちょっと欲望に正直になりすぎですか?
うへあ。

これでエロ書きたい病は一応治まったんで(笑)明日以降は普通のSSでも書こうかなと。ちょっと今日ドライブ中にネタ浮かんだんで。鬼畜シリーズと併せて話練りつつちまちまUPします。
Category [ SS R18 ]
唇から媚薬
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/09/25[ Sun ] 00:19
R18裏に「唇から媚薬」をUPしました。

エロです、はい。欲望のままに書いたエロです(笑)。

タイトルから判るとおり、めっちゃベタなネタ。
でもちと違う(笑)。

取り敢えず現在1~3まで。続きの4は明日以降予定。でもって4で完結。
ちょっと急いで作ったので、少し修正するかも。
Category [ SS R18 ]
真実と幻想と 1
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2005/09/24[ Sat ] 22:53

何か、に呼ばれたような気がしてアスランは目を醒ました。

「………っ、ぅ、ん………」
未だ眠気の残る目蓋を擦りながらアスランは身体をゆっくりと起こした。静かに部屋の中を見回すと既に朝日は昇り始め、暁の光がカーテン越しに室内をうっすらと照らしだしていた。
ふ、と視線を斜め下に向けると、シンが横向きになってくぅくぅと眠っている。
そうだ、と。アスランはぼんやりしたまま思い出す。昨日はシンに半ば流されるような形で…事に及んで、久々に燃え上がりすぎた。最初は彼に押し切られ、知らずあがる嬌声を抑えていたが、やがて快楽に身を任せてしまうと自らシンを求めて…舐めて銜えて、腰を振っていた。極めても求めあいぐちゃぐちゃになる迄絡み合った。

「………ぅぁぁ………」
膝を立てて顔を埋めた。思い出せば出す程、頬が熱くなる。
俺、何しているんだろう…。
今更ながらの自己嫌悪にアスランは心の中で一人ごちる。
確かにシンの事は好きだけれど。肌を重ね身体を交じらわせた後は必ずこうして羞恥心が沸き起こる。
自分でもこんなに、年下の彼に溺れているんだと。
嫌でも思い知らされる。

「………」
埋めていた顔をあげて隣で眠るシンを見た。

なんて、幸せそうな。
無邪気な顔で眠る彼に、昨夜みせた、アスランを泣かせた『雄』のカオはない。
「………この野郎、嬉しそうに眠りやがって………」
少しむかついて、アスランは目を覚まさないシンの頬を指で突いた。それでもやはり目覚めずぐっすりと眠るシンに、ふぅ、と諦めにも似た溜息をついて微笑を浮かべる。

漸く気持ちが、彼に追い付いたのだと、思う。
彼よりも遅く、告白されて初めて目覚めた恋。付き合いだして何度も夜を共に過ごして、徐々にシンへの想いは増していく。
今じゃ、どっぷり彼にはまっている。
こんな子供に。駄々っ子みたいな幼い少年に。
「…重症、だな。俺も…」
そう呟いて。口調は諦め半分、しかしアスランの表情はとても幸福に満ちていて。…淋しそうな程、幸せ、で。

暫らくシンの寝顔を見ていたが、次第に睡魔が再びアスランに襲ってくる。それに抵抗する事なく、もそもそと毛布の中に潜り込んでアスランは再び眠りについた。シンに寄り添うように、愛しい温もりをその身に感じながらアスランは眠りに落ちていく。




「アスラン、アスラン」
声がした。誰の声…シンの声、だ。
「………っ、ぅ」
重い目蓋を開くと、直ぐ目の前にシンの顔。
「………おはよう、シン………」
「おはよう、アスラン」
ぼんやりと目覚めの挨拶を交わすとシンの唇が下りてきて、ちゅ、と額にキスをされた。抵抗もなく受け入れる。
「起きて。朝ご飯出来てるから」
「………いい、まだ眠い………」
そう云って毛布ごと寝返りをうつアスランを、シンは寝かせてたまるか、と毛布をはぎ取った。
「駄目だから!。ちゃんと朝飯食わないとっ」
「………あー、うー」
「うー、じゃない!。ほら、起きる!!」
無理矢理起こされた。

まだ寝呆けたままのアスランがパジャマ姿でリビングにやってくると、鼻をくすぐる煎れたてのコーヒーの香り。
「まだそんな格好してる…今日はこれから仕事なんでしょ?」
彼の姿にシンがぶつぶつ云って焼きたてのトーストと温めたばかりのマフィンをパン皿に並べていた。
「あぁ、そうだけど…まだ時間はあるだろ」
「そうだけどさ」
「お前は?。今日は朝から?」
「うん、一講目外せないからさ」
「そうか」

二人はこうして毎日を平凡に、だけど幸せに過ごしていた。再びおきてしまった戦争は地球軍がその過ちを認め、プラントのデュランダル議長の元、平和へと歴史の進む方向性を変えて。
戦後アスランはオーブには戻らず、軍を退役したシンと共に暮らしていた。
カガリにその旨を告げると、淋しくなるなとか、頑張れよとか…幸せになれとまで云われたけれど。キラやラクスにまでからかうように云われたけれど…。
シンは至極簡単に軍を退き、今は大学へと通っていた。教師になりたいのだと、本来人好きの彼は他人と接したいと、そう照れ臭そうに云う姿は嬉しそうで、かつて憎しみに眸をぎらつかせていた面影はない。これが本来の彼だったのだろう。平和になり、アスランという大切な人を手に入れて満たされた今は、穏やかに過ごしたい、と思っていたようだ。
アスランもまた軍を退いていた。元から争いをなくしたいが為にザフトに戻ったのだから力や地位に未練はなかった。今は議長の紹介で彼の直属の国家機関の開発部でプログラマーをして生活をしていた。思った以上の高待遇でシンと二人暮らす分は楽に稼げていた。技術面で最高水準のものを持つオーブとも技術提携を結び、互いに情報を交換しながら『軍事利用』されない、『平和』を維持する為の技術を日々作り上げていた。
Category [ 時系列(No.00)【番外編・短編集】 ]
真実と幻想と 2 (#28)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/09/24[ Sat ] 22:48
「そうだ、今日仕事何時に終わる?」
マフィンを頬張りながらシンが喋る。
「シン、汚い。飛んでるぞ」
しかめ面でコーヒーを啜りながらアスランが注意する。

妙に甲斐甲斐しくアスランの身の回りの世話をするシンも、こんな所はまだ子供じみている。彼も、もう20歳だ。出会った頃は成長過程だった背も随分伸び、今ではアスランの方がシンを見上げねばならない。アスランも22歳になり、さすがに背は伸びなくはなったが、今もすらっと伸びたしなやかな手足は健在だ。

「んぐ。だから、今日は何時に終わる?」
急いで口内に残るマフィンを飲み下してシンがまた尋ねた。
「今日はオーブ側と共同で開発しているプログラムのログをチェックして…その経過をレポートにまとめなきゃいけないから………そうだな、夕方までには終われると思うが」
職種上、以外とアスランの就業時間は不規則だった。

「じゃあさ、終わった後逢わない?」
「逢えるだろ、此処で」
シンの問い掛けにアスランはコーヒーカップを持たない、空いている方の手でテーブルを、自分達の『家』を指差した。しかし途端にシンが憮然とした顔になる。

「…あんたのその鈍さ、好きだけどさ…もう天然記念物だね、その域は」
「は?」
「俺は『外』で逢いたいって云ってんの!。『此処』じゃなくて」
「…あ。そ、そうか、そういう意味か」

漸くシンの言葉の意味を理解して、彼の物言いに反論できない。確かに天然かもしれない。そう思ってまだ寝癖のついたぼさぼさの頭を掻く。

「で?。いいの?」
「ああ。平気だと、思う」
「なんか、はっきりしないなぁ…ま、いいけど。じゃあ終わったら携帯鳴らして?。俺の方が早く終わるからどっかで時間潰してるよ」
一気に約束を取り付けるとシンは立ち上がる。大学に出掛ける時間がきたようだった。
「もう行くのか?」
「うん。あ、食べおわったら食器下げてよ。帰ったら洗うから。ちゃんと水もはっといて」
「…判ってるよ」
いそいそと自分の分の食器を下げながらシンが云う。まるで小姑みたいに云う彼に今度はアスランの方が憮然となる。

シン曰く、アスランは他人の面倒を見て甘えられるのは大好きで、凄くしっかりしているように見えるけれど、実際は自分の事になれば途端に無頓着になる、ずぼらな人間だと。

確かにそうかも、しれない。こうして一緒に生活するまで、一人で自炊などした事はなかった。

「あと服」
「は?、服?」
「またいつものジャケット着てこないでよっ」

…先に釘を刺された。そのつもりだったのに。

「なんだっていいだろ、服位…」
「ダーメ。せっかく久々に外で逢うんだから」
テーブルに肘をついてコーヒーカップを持ちながらとうとう拗ねたアスランにシンは遠慮なく言葉を続けてくる。
「アスラン?、聞いてる?」
全く返事をしないのを不審に思い、シンは彼の顔を覗きこんできた。途端にアスランの手がシンの黒髪をぐい、と掴み引き寄せて。

キス。

「んっ…」
「…ほら、いってこい」
軽く触れただけで直ぐに離れた唇。視線が合うと、アスランはしてやったりな表情をしていた。
されて嬉しいのか、不意打ちで悔しいのか、なんともしがたい顔つきでシンがそのまま玄関へと向かう。アスランも彼を見送る為に食事を一旦やめて後を追った。
ドアノブに手をかけてシンが振り返り、真っすぐな視線をアスランに向けた。アスランは、ん?と少し首を傾げて。

「じゃあ、いってきます」
「ああ、いってらっしゃい」

なんて、普通な、毎日。
なんて、平凡な、日常。

シンが少し身体を屈めてアスランは逆に背伸びをして。お互い幸せそうな笑みを浮かべながら、唇を重ねた。

いつもの情景。毎日の触れ合い。
なんて幸せなのだろうか。

血に塗れ硝煙の中をがむしゃらに突き進んだ記憶は、其処にはない。

一瞬アスランの何か、が『違う』と違和感を覚えた。だが何が違うのか、それが判らない。

「じゃあ後でね」

ドアを開けて外へ行こうとするシンに、また何か、を感じる。

何だろうか、判らないけれど………危険な、予感がする。


「…っ、シン…」
自分でも理解しがたい焦燥感に駆られてアスランが慌ててシンを呼び止めた。否呼び止めようと、した。
Category [ 時系列(No.00)【番外編・短編集】 ]
真実と幻想と 3 (#28)*一部グロいかも。
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/09/24[ Sat ] 22:46
刹那、凄まじいまでの光が、高熱を孕んだ光が、ドアの向こうの『外』で輝いた。
『中』に居たアスランの目の前で、『外』に出たシンの姿が、光に包まれて。


一瞬で光に溶かされるかのように焼かれ、崩れていくシンの姿。

肉は溶け骨が吹き飛び流れる血すら、一瞬で蒸発する。



「ぁ、…あ、あ…」

アスランは目を見開いて咄嗟に手を伸ばした。崩れゆくシンに。

しかし次の瞬間光速より遅れて空気を伝わってきた爆発音が衝撃となってアスランを襲う。
玄関の壁に身体を打ち付け激痛に意識を失いかけるが、必死に翡翠の眸はシンを探す。

「シ、ン…っ、シン…シンッ!!」

床に倒れこみながらドアの向こうの『外』を見たが………其処にはシンの姿は、なくて。

「シン…?、シン…っ、シン!!」

在るのは、彼の物だった、肉と骨の一部だけで。

「…っぁ、あ…ぁあ、………ッ」

がたがたと身体が震える。
一瞬で、失った。
幸せも平穏も、愛しい彼も。

何もかもを、失った。

嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ。
こんな、誰か、嘘だと云ってくれ…。

「うわぁぁぁ---ッ!!」

アスランは、『シン』だった物を掻き集めるように、血に塗れながら肉と骨を必死に掻き抱いて。

『外』へと、叫んだ。








「…ン、アスラン…っ」

誰か、が呼んでいる。

誰…?。シン…の、声?。

いや、彼は今、消えた…。では、誰…?。



「アスラン!?」

叫ぶように名を呼ばれてアスランの意識が覚醒した。

「………ぁ」

勢い良く眸を見開き、茫然と視界に映るモノを見た。
朝日に照らされたコンクリートの天井と、自分を覗きこむ、シンの姿。

「あ………シ、ン………?」

思考が完全に停止していて、現状が理解できない。

「大丈夫ですか?」
とても不安そうに尋ねるシンの声に、アスランは漸く視点を彼に定めた。
翡翠に映りこむ、黒髪の少年。未だ幼さの残る柘榴の眼差しの、少年。

「ああ………」
漸く頭がはっきりとしてきてアスランは擦れた声で返答した。

夢、だったのだ。
あの幸せは。
あの悪夢は。

ほぅ、と深く溜息をついてアスランがベッドに横たわっていた身体をゆっくりと起こす。未だ夢の余韻から醒め切れていないのか、力は抜け、かたかたと小さく震えている。

「アスラン…」
「…すまない、起こしたのか…」
俯いて自分を包む毛布を見つめながらも、隣に感じるシンの気配に安堵する。

本当に夢だったのだ、と。

「いえ、俺はいいんです…けど…うなされてましたよ…?」
「………ああ、ちょっと………夢を、見た…」
広いとはいえないベッドの隣に座り、心配そうに声を掛けるシン。アスランはゆっくりと首を動かして彼を見つめた。

夢の中の青年とは違う、今のシン。それがひどく胸を締め付ける。
Category [ 時系列(No.00)【番外編・短編集】 ]
真実と幻想と 4 (#28)
TB[ - ]  CM[ 0 ]   Edit   2005/09/24[ Sat ] 22:43
「…アスラン…」
じ、と暫らく彼を見つめていると急にシンがごくり、と喉を鳴らして息を飲み込んだ。
そして彼の手がそっと延びて凝視しているアスランの目元を掠めた。
触れた途端に肌に吸い付く水の感触。

「アスラン」

その時初めて己が泣いていた事に気付いた。

「…ぁ…、お、れ………」
シンが優しい仕草でアスランの涙を拭う。

何度も何度も。
愛おしそうに、物悲しそうに、彼を見つめながら。

「…は、はは…」
泣きながらアスランは微笑う。

たかが夢で泣く自分に。
たかが夢なのに、ひどく安堵している自分に。

「アスラン」
知らず溢れる涙を何度も拭いながら名を呼ぶシンに、アスランは崩れるようにその身を重ねた。
勢いで倒れこみながらシンはアスランの身体を抱き留めて、きゅ、と彼の背中に手を回した。
藍の髪を広げシンの胸に顔を埋めて、アスランは彼の心音を聞いてまた涙を流す。

生きている。彼も自分も。
あれは夢。失っていない。
夢の最後で覚えた違和感は、こういう事だったのかと。

あれは夢。今の戦況ではありえない幸せの未来。
ザフト、地球軍、そしてオーブまでもが加わった三つ巴の最悪の戦況で。
今後どうなるかなんて誰もが判らない世界情勢で。

知らず望んだ夢。
知らず恐れた夢。

あれは願望であり、不安。

シンの傍に居たくて、シンを失いたくなくて。

いつのまにか心の中で存在が大きくなっていた事に気付かなかった自分が、無意識に願い恐れた事が夢となって現われたのか。

夢という形で自らの深層心理を突き付けられた。

「シン………」
「アスラン?」
未だ肩を震わせて声もなく泣き続けるアスランが、胸に顔を埋めたままシンの名を呼んだ。
「………シン、シン」
「どうしたんですか?」
急にうなされ、目覚めた後泣きだした彼に激しく動揺しながらも、シンはそれを押し隠して彼を優しく包む。初めて見るはかなげな姿に戸惑いながらも愛しさも感じながら。

「シン………」
守りたい、と思う。
誰よりも強く、でも本質は揺れ続ける彼の心を。
自分が、守りたい、とシンは願う。
「もう、いいから…アスラン」
藍の髪をそっと梳きながらシンは彼に呟いた。
「俺は此処にいるから、安心して…?」
アスランがどんな夢を見てうなされたのか知らない。でも様子からして自分が関わっているのだろう。

「シン………」
「うん」
「………ありがとう」

アスランが、云った。切なそうに、しかし微かに喜びに満ちた声音で。



先程見た幸せな夢が現実となるのか、それとも恐ろしい夢が現実となるのか。
それはまだ判らない。

でも、アスランは願う。

シンに抱き締められながら、ひたすらに願う。



いつか、幸せに、なりたい。
彼と共に、幸せになりたい、と。



近い未来、二人に降り掛かる現実の悪夢を未だ知らぬまま、アスランは心の中で独り呟いた。


アスラン・ザラは、シン・アスカを愛している、と。

愛して、いるのだと………。
Category [ 時系列(No.00)【番外編・短編集】 ]
永遠のパズル (#31 ~32)
TB[ 0 ]   CM[ 0 ]   Edit   2005/09/23[ Fri ] 01:15
「こぼれおちるもの」(裏のみにUP)「TIGHTROPE」(一部裏)の続編「永遠のパズル」をUP致しました。しかしこれも2のみ裏にUPです。
一応それが無くても判るようには描いてはあるつもり…。

つもりだけど…。

というかさ。絶賛好評落下中なんですけど。アスランさん。

一体何処まで落ちるのか。ある意味かいてて自分自身この落ちっぷりが愉しくなって参りました(笑)。

このタイトルはまだ続きます。このタイトルでアスラン脱走まで書くつもりなんで。で、一応終わりになるのかな?。
続きは明日以降。思ったより先に進まなくてびっくりだよひさこさん。


Category [ 時系列(No.03)【永遠のパズル】 ]
永遠のパズル 1 (#31 ~32)
TB[ 0 ]   CM[ 0 ]   Edit   2005/09/23[ Fri ] 01:10
やがて、不安は現実となっていく。



シンが独断でステラを連合側に返し、営倉入りになって数日。重罪を課せられると思われたシンは本国より何も咎められる事無く、共謀者のレイと共に解放された。
その驚くべき決定に周囲が騒めく中、シンは明らかに以前の彼とは違っていた。威圧感を放っており、まるで力を鼓舞し増長するような彼の姿は、自ら暴走し決して幸せではない何処かへとがむしゃらに走り続けているようにも思えた。
彼が変わってしまった事にクルー達は怯え不審に思いながらも憶測でその裏を勘ぐる。

だが誰もがその真実を言い当てる者は居なかった。


真実を知らず識る者、アスランは沈黙したまま。





あの牢獄での凌辱以来、アスランは何処か疲弊し切ったような、まるで脱け殻の如く空虚な人間になっていた。シンの変化と対を成すかのような彼の変化はやがてミネルバ内の誰もが気付いた。だがそれは『セイバー』を墜とされ、部下であるシンの問題行動の所為だろうと思われていたようだった。寧ろ同情的な眼差しで見つめられる。
アスランはそんな視線が向けられる中で、平静を保っていた。そうしなければ追い詰められた精神を辛うじて繋ぎとめるのが出来なかったのだ。何食わぬ顔で任務をこなし、時折苦痛に満ちた表情を浮かべるが、それでも決して周りには悟らせない。

だが、翡翠の眸は虚ろだった。あの日以来、自室で独り言のように記憶の中のシンにさよならを告げて以来、綺麗な翡翠は濁っていた。


それに気付く者もまた、シンだけだった。







「…不問、でありますか…?」
アスランはシンが解放された事を艦長室で教えられ表情を強ばらせた。
「…早い話、そういう事になるわね」
「今までの功績がどうとか色々理由がついていたが、結局は彼らは『特別』だという事ですよね」
神妙な顔つきで話すタリアの横で、副艦長であるアーサーも同じく強ばった表情で呟いていた。
ヱクステンデッドの少女ステラはどんな形であれ地球軍の兵士であり、しかも『ガイア』のパイロットだ。立場上は『捕虜』の彼女を上からの命令なく解放し、しかもあちら側の上官に直に引き渡しをしたのだ。普通ならば『銃殺』、恩情があったとしても『幽閉』などの重罪は免れない。
それが事実上の『無罪放免』だ。

「………本当に、議長は何を考えているのかしら」
タリアが少々憎らしげに呟く。議長と艦長の間に一体どんな繋がりがあるのか、アスランには判らない。だから今、彼女がどんな気持ちで呟いたのか知る由もない。それよりも、彼にとってもっと大事な事がある。

「アスラン?。どうしたの。顔色が優れないようだけど…」
「あ、いえ。………何でも、ありません」
タリアに訝しげに尋ねられ、アスランは迷走していた思考を慌てて呼び戻した。しかしタリアの鋭い目はアスランの態度に隠されたものを探ろうとしている。必死に隠している全てを見透かされそうで、アスランは半ば話を無理矢理に終わらせてその場を立ち去った。
しかし、艦長室を出る際にアスランの背中に浴びせられたタリアの言葉。

「………シンを、頼むわね。アスラン」


それが、いつまでもアスランの心に突き刺さっていた。



逢いたくない、しかし逢いたい。

完全に捻れた関係。もう以前のようには居られない。笑い合う事も、触れ合う事も、交わる事も。出来ない、と。

しかしそれでも。凍り付いた心の何処かで惨めな程シンを求めている。

アスランは、翡翠の空虚な眸を彷徨わせたままで。

艦長室を出て自室に戻る途中の通路で、アスランはとうとう出会ってしまった。

シン、に。

刹那、彼らを取り巻く空気が、凍り付く。

ルナマリア、レイと共に通路を歩いていたシンはアスランの姿を見つけて、ぎらつく眸を彼に向けた。柘榴の眸はまるで血を流しているかのように紅く、アスランに未だ残る心の消えない傷を抉る。
アスランは視線を合わせられずに立ち止まって俯いた。動けなかった。彼に対する、悲哀や恐怖、そして今でも消えない恋慕が、身体の自由を奪い去っていた。壁側に逃げるように退いたアスランをシンはにらみつけたまま無言で通り過ぎる。

通り過ぎる瞬間、小さな声で、シンが何かを云った。それはアスランにしか聞こえない、言葉。俯いていたアスランの翡翠の眸が大きく見開かれる。

シンの言葉に凍り付いたままのアスランを残し、シンはそのまま立ち去っていく。口元に笑みを浮かべて。二人の様子が明らかにおかしい事を気にした、ルナマリアの同情めいた不安げな眸と、レイの冷静を装った、何かを見定めるような視線にアスランは気付く余裕すらなかった。
Category [ 時系列(No.03)【永遠のパズル】 ]
永遠のパズル 3 (#31 ~32)
TB[ 0 ]   CM[ 0 ]   Edit   2005/09/23[ Fri ] 01:09
アスランが意識を取り戻した時には、室内にシンの姿はなかった。残された物は、シンが放った精液と、彼によって再度汚された己の肉体のみだ。

冷たい床に疲れ切った身体をよこたわらせ、アスランは茫然としながらシンが消えていったドアを見ていた。
涙は既に枯れて出ない。泣き叫んでいた喉は擦れ、声すら失っていた。
渇いてはりつきそうな唇を薄く開いて。

『シン』と。

声もなく、呟いた。

どうしてなのか判らない。何故そんなにも憎しみをぶつけられるのか。
でも。こんなにされてもまだアスランはシンを思い切れなかった。彼よりも遅く始まった恋慕は止まず彼を欲している。惨めだと罵られても、淫らだと責められても、いい。

『判ったよ…シン』

また、声なき言葉を紡ぐ。

『お前が欲しいのなら、幾らでもこの身体を弄んでいい』

ずる、と疲弊した身体を動かして、アスランは起き上がって。へたり、と座り込んだ。
そして宙を、空虚な翡翠が見つめて。

『けれど…俺の、気持ちだけは…』

そこには居ない、かつて愛し合った彼の人の面影を探して。

『俺は…まだお前を、好きなんだ…』



虚無に囚われたアスランに、タリアの言葉が重くのしかかった。

こんな自分に、出来る事は…それしかない、と。






アスランは営倉から出てきたばかりのシンに再び犯され、身体も心も傷つけられながら彼を想い、日に日に痛ましい程に弱っていくのを隠して。

シンは彼に対する全ての感情をどす黒い憎しみにかえてぶつけ、その心に彼の姿を愛しき者として映すことはなく。

お互いが壊れた心を抱えたまま過ごしていた。
他人の前では冷えきったまま、それでも表面上は何事もなかったかのように装っていた。



そして、悪夢が訪れる。


シンにとって、アスランにとって、想いを壊し、関係を壊したあの日の不安が、現実となって降り掛かったのだ。

やはりステラは、アスランの危惧した通りに戦場へと戻された。絶望したくなる程巨大なMS『デストロイ』に乗り込み、その冷たく巨大な機体を駆り都市を破滅へと導いて。
彼女の意思はおろか、命ですらあちら側にとっては無意味なものだと、彼女によって失われていく多くの命と共に彼らに突きつけられた。

そしてそれを知らぬシンは剣を交え、やがてパイロットが彼女だという事実に気付いて絶望する。
アスランの云う通り、彼女は死んだ。戦場で。
しかも。アスランを撃墜した、フリーダムが、デストロイを破壊した。

シンにとっては認めたくなかった現実を突き付け、憎き相手に更なる憎悪を抱き、そしてアスランにとっては………思いもしなかったキラの出現で最悪の結果を招かされ。

二人は、悪夢を見せられた。


もう、幸せな夢を見る事は許さない、と神によって定められたのかと思う程に。
Category [ 時系列(No.03)【永遠のパズル】 ]
OPIUM 2
TB[ 0 ]   CM[ 0 ]   Edit   2005/09/21[ Wed ] 23:49
R18裏に「OPIUM 2」UPしました。コレで完結です。

でも失敗した…。めっさへたれなSSなんで凄く消し去りたい気分orz。
最初の思惑が外れると、こうも駄目駄目になるのね…。

とまあ、ここまで一気にUP祭状態でしたのであとは週末まで一息入れたいな。
その間ちまちま書いて又まとめてUPしたいです。といっても気まぐれなんでぽこっとUPしてる可能性大な私。

鬼畜シリーズ(笑)となんか普通の話も書きたい…。
Category [ SS R18 ]
OPIUM 1
TB[ 0 ]   CM[ 0 ]   Edit   2005/09/21[ Wed ] 01:58
R18裏に「OPIUM 1」UPしました(というかこれからする)。

今回はシン視点でのエロです(はっきり言うな)。
というかまだ完成してません。

本当は「TIGHTROPE」より先にUPするつもりでしたが、書いててめちゃ乗ってしまってこっちの方が遅れてしまったというorz。

明日か明後日にでも2をUPします。それで完結予定。

今週中は裏をメインにUPしそう。浮かぶネタがエロばっかりなんだもん…。それと同時進行で「TIGHTROPE」の続きかな。

うん、今週はそれでいっぱいいっぱいじゃorz。



Category [ SS R18 ]
落書き 其の4 アスラン04
TB[ 0 ]   CM[ 0 ]   Edit   2005/09/21[ Wed ] 01:37
アスラン06


実は某所の避難所開催のアスBD祭りで投稿したもの。

初めて書いたアスランのカラー絵でした。アナログ塗りで(コピック使用)しかもデジカメでとったからすげえボケボケorz。

だってうちスキャナないんだもん…。一応買うつもりではいるけど、買っても使うことあるのか…。
CG塗りだとやたら時間掛かって数箇月かけて完成するくらいだもんな…。

というか、これ描いた時友人に見せたら、「何でアスラン宇宙にいるの?。ヘルメットしてないのに平気なの?。何で羽根あるの?」と突っ込み爆発…。

いいじゃん、羽根好きなんだよ!!orz。

宇宙はなんとなく。だって宇宙モノでしょSEEDは(そんな理由かい)。
Category [ シンアス 落書き ]
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