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管理人ひさこによるガンダムSEED DESTINY及び蒼穹のファフナーのファンサイトブログです。オフィシャル等とは一切関連はございません。
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【変わらない僕ら】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2010/10/29[ Fri ] 23:57
何年経っても変わらないもの、ってある?



ある訳ないさ、そんなもの。


信じていた時もあったけど、その時変わらないでと願ったものは全部亡くしたから。


独りプラントに渡って、ザフトの兵士として戦争を経験して、気付いたら戦後の今もザフトでパイロットを続けている。
あんなに戦いたくないって思ったのに、死にたくないって思ったのに、何で?と自分でも疑問に感じてる。

でも、この人が今も隣に居てくれるから。

だから今もザフトにいて、戦っているんだろうと思う。




「…………」
スヤスヤと眠っているアスランさんは、まだ目尻に泪が滲んでいて。ちょっとやり過ぎたかな?と、少しだけ反省する。
眠ってるアスランさんに寄り添って、乱れた藍色の髪をそっと撫でてみる。一度寝入ったらそれ位じゃ簡単に起きないって知ってるから、思うがままに髪を撫でてサラサラした手触りを暫く楽しんだ。
アスランさん、疲れた顔してるな。最近忙しかったみたいだし。アスランさんの仕事、今繁忙期なんだっけ?俺軍人だから世間ずれしてて、民間企業の事はさっぱり判んないけど。おもちゃメーカーってそんなに忙しいのかな、今。
気のせいか少しやつれたように思う。ちょっと頬のあたり痩けたよな。顔色も何だか青いし、大丈夫だよって言ってたけど、かなり疲れてるんだ……いや、更に疲れるような事した俺も悪いんだけど。
「ん」
どれ位髪を撫でてたろう。急にアスランさんが声を洩らして、ちょっと眉をしかめた。
「おきた?」
起こしちゃったかな?ごめんね、ってやつれた頬にキスをすれば、嫌々と首をふられた。
うわ、かなりショックかもーさっきまで俺に甘えてくれたのに!
「何でっ」
思わず拗ねたら、アスランさんは起こされたからか、不機嫌そうな顔をしてた。ジロって俺を睨んで。
「ば、か……みず……」
そう囁かれた声はひどく掠れていて、ろくに喋れていない。
「え?何?」
「だか……ら、みず……」
もう一度繰り返されて、ああ、そうか、と漸く理解できた。そういえばアスランさん、さっきまで喘いでたんだっけ。いつもより泣いてて、最後は声も出ないくらいで。必死に俺にしがみついてたんだった。そりゃ喉も枯れるよな。
「はい、アスランさん、水」
ベット脇のサイドテーブルに置いてたボトルを掴んで、水を口に含む。それを口移しで飲ませたら、また嫌々された。
「ちゃんと飲ませろ……ばか」
ええー……俺拗ねるよ、マジで。口移しした分はしっかり飲んだくせに、アスランさんってば、つれないって。
「ちぇ」
頬を膨らませてアスランさんを睨むけど、原因は俺にあるから。言われた通りボトルの口をそっと運んで、寝たままのアスランに水を飲ませてやる。ゴクゴクと飲み干す姿は妙に可愛くて……やらしい。
一通り水を飲んだアスランさんは、急にそっぽを向いた。どうやら喉を潤したら、また眠くなったみたいだ。じゃあそのまま俺に見えるように寝ればいいのにって思うけど、喉が枯れる位乱れた後だから照れ臭いんだ。
もう何年も一緒に居るのに今更恥ずかしがるアスランさんが可愛くって、そっと背後から抱きついたら、抱き締める俺の手をアスランさんの手が握ってくれて。
昔なら払われていたよな……今は握ってくれる。それだけ頼りにされてるって、自惚れても良いよね?


何年経っても変わらないもの、ってある?

ある訳ないさ、そんなもの。

そう思っていたけど。変わらないものもあるって。

今ならそう思える。


アスランさん、アンタに会えたからだよ。



今でも俺と一緒に居てくれて、俺を好きでいてくれて。
あんなに色々あったのに、俺を見捨てないでいてくれて。すごい感謝してる。

これから先何があっても、俺達は変わらない。そうだよね?

また来年もこうして一緒に居るんだから。





誕生日おめでとう、アスランさん。
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Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
【きぼうのゆめ】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2010/09/05[ Sun ] 03:36
夢を、見る。

漆黒の闇夜眠る間に、日常のふとした瞬間に、夢を見る。

錯覚?
幻覚?
それとも?

この張り裂けそうな胸の内の、隠された願望?



「何でアンタ戻ってきたんですか?」
「え?」
「ザフトに…何で今更」

いつだったか、シンはアスランにそう訊ねた事がある。
唐突に聞かれたアスランは、無論戸惑いの色を隠せないで。

「何で?と云われても…」

と。シンにはよく見せる、困惑のままの微笑。

それが、シンは見るのが嫌で。
そんな顔で笑うアスランが嫌で。
そんな顔しか見れない自分が嫌で。

本当は、もっと、もっと?

シン自身判らない激情に駆られて、いつも喧嘩腰の口調で云ってしまう。

「アンタは英雄って云われるだけ凄い人かもしれませんけど、ずっとオーブに居てアスハなんかと一緒に居て、ブランクあるのによく戻ってくる気になれましたね!」
と、暴言を一気に吐いた。
一度溢れたものは、その流れを止められず。

「今は戦争中ですよ?死ぬかもしれないんですよ?民間人だったのに、何で戻ってきたんですか!」

アスランの顔が、途端に険しくなるのを気付いても。

「アンタそんなに死にたいんですか!」

云った後で後悔しても、遅かった。

「……確かに、無謀と思うかもしれないな、現役のお前からしたら」

アスランの顔は怒っていなかった。
でも、声は冷たかった。

「それでも、何かしたかったんだ。戦争を終わらせる為に」

初めて聞く、声の冷たさだった。
背筋が凍るような冷たさだった。

「それに……今更この命に未練はないさ」

アスランの言葉に、シンは絶句するしかなくて。

それは、覚悟の現れか?
いいや、絶望の証しか?

判らない、判らないけれど。

ああ、この人は、と。

何故か急に目頭が熱くなって。知らず知らず涙を滲ませていた。
それに気づいたアスランが、シンの髪をクシャクシャと撫でて。

「……すまない、今のは忘れてくれ」

そう言って。また笑って。


ああ、この人は、と。

感じた予感を、何としてでも止めれば良かった。
気付いたなら回避できたかもしれないのに。

死ぬ覚悟がある、と。
覚悟を抱いて戦場に戻ってきたのだ、と。

死ぬ事を考えた事もない未熟な部下を、慰めるだけの余裕があるのは、そうだったからだと。



シンは、この時判ったはずなのに。

でもまだ未成熟なシンは、他には気付けずに。


アスランをこの時から既に好きだったと気づけずに。

アスランを裏切り者と罵って、撃ち落とした。

アスランを、ころした。



だから、シンは夢を見る。


錯覚か、幻覚か。
まるで白昼夢に囚われたかの如く。

この張り裂けそうな胸の内の、隠された願望を。
期待する度に絶望するとしても。

願わずにはいられない。

アスランの生存を。
アスランへの謝罪を。
アスランへの告白を。

アスランとの……を。


ひとつ歳を重ねた、この夜にも、また。

シンは、贖罪の夢を、見る。
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
【ゲーム】裏。
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2008/11/09[ Sun ] 23:08
予告通り?裏に今年のアス誕【ゲーム】の続きつかエロを公開しました。表以上にぶっ飛んでますので、(ある意味)壊れたアスランを覚悟の上でご覧下さいwww

でも残念ながらどえむじゃない。なりそうだったけど寸での所で我慢した。


しかしタイトル合ってないなー適当につけたからなーまあいいけどー。
(いいのか)
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
【永遠】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2008/11/02[ Sun ] 22:27
最初、シンの事しか考えてなかった。
自分の事なんか頭になかった。

シンを、幸せにしてやろう。

それしか考えていなかった。


だから、だから。






「アスランさん、誕生日おめでとうございます」

そう言われる度、いつも驚く。

「……え、あ、ああ」
「アンタまた忘れてたんでしょ」
「い、いや、忘れては……」
「本当ですかぁーー?」
「………………」
「目を逸らしてもバレバレですから」
「あ……うぅ……」

誕生日を祝ってもらって、忘れていたから当然驚いて、それをあっさり見透かされて、誤魔化してみてもやっぱりバレていて。
誕生日おめでとうから始まって、疑いの目を向けるシンからアスランが顔を逸らすまで。

何回同じ事を繰り返してきただろう。

誤魔化しても無駄ですよ、とグッサリ止めを刺され、アスランは渋々逸らした目線を再びシンに戻した。視界に映るシンはやっぱり呆れ顔で、はあー、と大袈裟に溜め息をついている。
「アンタってホント、自分の事は二の次ですよね」
そう言われるのも、もう何度目だろう。いちいち数えている訳じゃないけれど、何かある毎に繰り返されてるような気がする。クリスマスに正月、バレンタインだけは忘れないけれど、でもそれはまた別の理由があるからで。だからホワイトデーも忘れてしまう訳で。その都度言われる小言を、今では一言一句覚えてしまった程である。

つまり、それだけシンと一緒に居たという事。
シンと共に生きてきたという事。

アスランが今まで生きてきた時間の中で、まだそれはほんの僅かな時間ではあるけれど。

でも、これからも続く時間であって。
シンとの時間が多くを占めるかもしれなくて。


来年も再来年も、俺きっと言われるんだろうなあ。また忘れてたんでしょう!って。



シン、に。






「……アンタ何笑ってんですか」
「え、いや、別に……ふふっ」
「別にって、笑ってるから!今まさに笑ってるから!」

気付けば、自然と笑っていた。

叱られてしょんぼりするかと思いきや急に笑い出したアスランに、シンは最初こそ呆気に取られていたけれど、直ぐギャアギャアと喚き出した。
「何がそんなに可笑しいんですか!アンタ俺を馬鹿にしてんのかよ!」
「違っ……違う……っ、ふふ、ふふ……っ」
「笑うなーーッ!」
アスランが笑う度シンは烈火の如く怒る。折角誕生日を祝ってやろうとしてたのに!と滅茶苦茶怒っている。
けれど、それが、アスランにはただただ可笑しくて。

「去年も一昨年も、そうやって叱られたんだよな、お前に。今年もまた忘れて怒られて……きっと来年も再来年も、その先もずっとお前に怒られるのかと思ったら……何だか可笑しくなってな」

何とか笑いを噛み殺しながら、場違いにも笑ってしまった理由をシンに語った。


ああ、幸せだな、って。

そう思ったんだ。


そう言って、またアスランはクスクスと笑った。

今度はシンも怒らなかった。
代わりに。



「俺もアンタのお陰で幸せです。だからアンタも同じ位幸せになるんです!」

と、よく判らない理由を述べてアスランを強く強く抱き締めてくれて。




嗚呼と、頷いて、笑って。






少しだけ、泣いた。
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
【ゲーム】(10/29追加)
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2008/10/29[ Wed ] 22:56
二人仲良く夜の営みを行うのは、恋人同士ならごく当たり前の事だ。

その為にアスランはシャワーを浴びて、シンが待つ彼の寝室へ向かう。


何の任務だか知らないが、現役軍人のシンはここ一月はろくに帰ってこなかった。戦後の混乱のどさくさと周囲の用意周到な根回しで、何食わぬ顔でプラントに戻り民間企業の技術者になったアスランには一切判らない。
まあ、無事に生きて戻って、そうしてこの家に帰ってきてくれれば充分だと思っている。
一緒に暮らせるのが何よりも嬉しい、アスランにとっての平和だったから。


でも流石に今回は会えない時間が長過ぎた。
深夜に帰ったかと思えば夜明けと共に出て行ったり、数日戻らない事もままあった。勿論連絡なんかろくになかった訳で、こうして今同じ屋根の下に居るのが珍しく思える程だ。
となれば恋人として過ごすのも超御無沙汰で。出会った頃より幾分か成長したとはいえまだまだ若いシンだから、きっと見えない尻尾をパタパタさせてお預け状態の犬のようにアスランを待っているだろう。

そう思って、扉を開けたのだけれど。

「アスランさん……」

てっきり浮かれているかと思いきや。
「……お願いがあるんですけど」
やけに神妙な顔つきで、アスランは肩透かしを食らってしまった。
「どうした?」
目を瞬かせながら一応聞いてみる。
どうせこれからする事に対しての我が儘を言うつもりなんだろう。上に乗って下さいとか、口でして下さいとか、……縛っていいですか、とか。
同じような状況で言われてきた事を反芻し、絶対そのどれかだろうと呑気に構えながら、アスランは濡れた髪をタオルで拭きつつシンの言葉を待った。
しかしシンはパジャマを着たままベッドの上で正座してウグウグ言葉を詰まらせていて。
まるで子供が不貞腐れた末に泣き出しそうな顔をして、そうしてシンはやっとアスランに言った。

「明後日のアンタの誕生日、何か欲しいものありますか!」

何故高圧的な言い方なんだ、今お前が言ったのは質問だろう。

というより、何だ?あっちの事じゃないのか?

今度こそアスランは驚いた。
予想と違ったからじゃなくて、誕生日、という言葉に。

「……え?」
「色々考えたんですけどっ、アンタが何欲しいか全然浮かばなくって!要らない物あげたって仕方ないしっ、折角あげるんだから喜んでほしいしっ、じゃあアンタにプレゼント決めてもらおうって!だから、その……」
「…………」
「何が欲しいですかっ!」
口を挟む間もなく一気に説明されて、アスランにもシンの言わんとする事が判ったけれど。どれだけ興奮しているのか若干語尾が上擦ったりして聞きづらかったけれど。
でも、まあ、シンがずっと悩んでいただろう事は、よく伝わった訳で。

シンが興奮状態だったから気付かれなかったのは幸いだった。


俺、誕生日近かった、んだ。

忘れてた。



「アスランさん……?」
「あ、ああ」
「何か…………ないですか?」
声を掛けられて我に返る。シンはビクビクしながらアスランを見上げている。偉そうな口調とは裏腹な態度に、思わず親心で頭を撫でてやりたくなる程、今のシンはガキそのものだった。
今までは工具セットだとか温泉の素だとか、シンなりに一生懸命考えたのだと思われるプレゼントを貰ってきた。
元々アスランは余り物を欲しがらないし、あったとしても自分で買ってきた。それ以前にアスランの興味がある物はシンには理解し辛いのもあった。

だから今年は単刀直入に聞いてしまおう、と。

喜ぶ物をあげたいから、喜ぶ顔を見たいから。


それは判る。

判る、けれど。





「ひとつだけ、ある」
「何ですか!」
やや沈黙した後アスランが口を開くと、シンがベッドから飛び上がる勢いで立ち上がる。

そうしてシンがアスランに抱き着こうとする寸前で。


「誕生日が終わるまで、俺に触るな」


と、にっこり満面の笑みを浮かべて。


「いいか、指一本触れるなよ?」


そう言い残してアスランはシンの部屋から出ていってしまった。




「うぇ、えぇぇぇぇ!」

扉の向こう側から響くシンの絶叫を聞きながら。

アスランはやはり笑っていた。


何か企んだような顔をして、笑っていた。





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【四つめのプレゼント】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2008/09/01[ Mon ] 00:01
初めて貰った誕生日プレゼントは、戦争が終わって暫くしてからだった。寒くて雪でも降るんじゃないかって時に久しぶりに会って、その時に渡されたのが最初だった。作りかけの中途半端なハロ。跳ねもしないし、勿論喋らない丸いガラクタに、キレた俺は言ったんだっけ。こんなの要らないって。そしたらアンタ笑った、ミネルバに居た時と同じ辛気臭い面して。困った顔して笑ってた。


ああ、前と同じだ、って。泣きそうになった。




次の年は空飛ぶ鳥をくれた。パタパタ翔ぶし、よく喋るし、しかも俺の頭をどついてくれた。トドメに赤い色って、普通そんな色にしないから。何より気にくわなかったのが、あのフリーダム野郎と色違いのお揃いだって事。前の年のハロだって二番煎じだし、同じのなんか欲しくないって言ったら、今度はアンタ拗ねたっけ。じゃあもうやらないって。


どうせそんなのその場の勢いで、直ぐに忘れるだろうって思ってた。実際俺は忘れてたし。でも、アンタは。




三度目の誕生日はプレゼントくれなかった。去年もうやらないって言っただろうって、アンタはマジ顔で俺に言ったよね。嘘だろ!って怒っても不貞腐れても知らんぷりしてさ。仕舞いには五月蝿いぞ!とか言って俺の頭をぶん殴ったっけ。凄くムカついて悔しくて堪らなくて……何だか悲しくて。それからアンタと口を聞かないで俺はふて寝したんだよね。折角久しぶりに会えたっていうのに、こんなのないだろう!って。


でもアンタ、内緒で用意してくれてた。手のひらに乗っかる、小さなハムスターもどき。朝起きてソレが枕元にあった時、俺不覚にも泣いちゃったんだよね。アンタは泣かれると思ってなかったみたいで、凄く慌ててた。泣くなよって言いながら頭を撫でてくれたの、よく覚えてる。
これハツカネズミっていうの?俺よく判んないけど。何でも昔アスハに言われたって。ハツカネズミに似ているって、アンタがさ。

それってさ、つまり、アンタをくれたって。

俺、自惚れていいんだよね?

俺だけのガラクタ。
世界で一個だけの、ハンドメイド。


俺に、アンタをくれたって。


アンタ、笑って誤魔化してたけど。




そして、今年。四回目の誕生日。アンタは今までで最高のプレゼントを俺にくれた。


今度こそ正真正銘の、アンタ自身。

家族になろうって、言ってくれた。

俺もお前も独りだから、家族になろうって。二人っきりだけど、家庭を作ろうって。お前もやっと、このオーブで一人前の大人として認められる歳になったんだから、良い機会だって。アンタ、ずっと前から考えてたって教えてくれた。あんなに俺がお願いしても嫌がってたのは、この日を待ってたからだって。



……俺さ、本当はちょっと自信なかった。今だけの関係で終わるのかなって、怖かったりした。でも、そうじゃなかった。アンタは真剣に考えてくれてた。もっと早くても良かったけど、それじゃ俺が若すぎるから周りからしたら子供と保護者でしかないって。そうじゃなく、正式に家族になりたいからずっと我慢してたって。
俺に話さなかったのは恥ずかしかったからだって。

そういう事はさっさと言って下さいよ!って俺は怒鳴りながら。


泣いた。

アンタに抱き付いて、みっともないけど大声で泣いた。

そんだけ嬉しかった。



ありがとう、俺を選んでくれて。俺を嫌いにならないでくれて。


俺を好きになってくれて、ありがとう。



アスラン。




俺も、アンタが大好きです。







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Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
【パンプキンバースデー】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2007/10/29[ Mon ] 20:44
アス「ただいま」
シン「お、おかえりなさいっ」
アス「(何慌ててるんだコイツ)…ん?何だコレは」
20071028212307

シン「みっ、見て判らないですかっ!」
アス「いや…判る…が……ケーキ?」
シン「た、偶々売ってたから!旨そうだったから買ってきたんです!」
アス「(だから何で怒る必要があるんだ?)」
シン「別にア、アンタの為に買ってきた訳じゃないですからね!」
アス「え?俺?」
シン「だってアンタ今日…た、誕生日だし!」
アス「………あ、そうだったな」
シン「やっぱり忘れてたんだ!」
アス「いや…まあ、その…忙しかったし…」
シン「アンタらしいですけど、でもいい加減自分の誕生日位覚えて下さいよ」
アス「…すまない」
シン「毎年毎年同じ事繰り返しじゃないですか!」
アス「だからすまないと…」
シン「兎に角それ食って下さいね!」
アス「(話を聞け馬鹿)…南瓜?」
20071028212509

シン「もしかして嫌いとか…?(ビビりつつ)」
アス「いや、嫌いじゃないが」
シン「ちょうど今ハロウィンだったから…」
アス「もうそんな時期か」
シン「(誕生日ケーキ買うの恥ずかしかったなんて言えるか!)」
アス「シン、ありがとうな」
シン「いえ…」
アス「一緒に食べないか?」
シン「ア、ア、アスランさん…!」
アス「あっ、こらシンッ!」
シン「(聞いてない)いただきまーす!」
アス「俺はケーキを食べようと言ったんだ!俺を食べろと言って……アーッ!」




結局最後には食べられちゃうアスランさんでした(・∀・)
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【永遠の夜】-シン-(2007/09/02ネタ追加)
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2007/09/01[ Sat ] 20:00
昔、アンタなんか、とシンに散々なじられた事があった。
今、アンタなんか、とシンが噛みつくようなキスをする。


昔は昔、今は今。

けれど、どうしても拭えない想いが、たったひとつ。

アスランの中でずっとくすぶり続けていて、消えない。





「ん…ぅ」
不意にアスランの隣でシンが小さくうめいた。その声音は決して苦悶ではなく単に寝惚けて洩れた吐息なのだけれど、それでもアスランは僅かに緊張してシンの寝顔を覗き込んだ。

良かった、眉間に皺が寄っていない。
悪夢を、見ていないんだな。

ほぅ、と安堵してアスランは溜め息を静かに洩らした。


向かい合うようにして並んで眠る夜、共にその躯には何ひとつ身に纏っていない。
昨夜はシンの誕生日だった。だから愛しあいながらアスランはシンを祝い、シンはアスランに感謝し、そうして日付が変わるまで互いの愛を確認しあった。
誕生日という祝うべき日に気分が盛り上がったのか、何度も交わったせいでシンは疲れて眠っている。アスランも心地好い疲労に浸ってはいたけれど、じわじわ迫りくる睡魔に身を任せる訳にはいかなかった。

今夜、シンが穏やかに眠れるか否か。それを見届けるまでは。



『アンタ、俺を見捨てて居なくなった癖に!』

かつて戦時中にそう罵られた事がある。
最終決戦ともいえる苛烈な争いを生き延びて、そうして再会した戦艦の格納庫でシンがアスランを激しく罵った。
その当時敵となってしまっていたアスランに月面に撃墜され、皮肉にも敵艦に救助されてしまったからか。
否それだけではない。
一度全てを喪ったシンが再び手にした大切な宝物、だった筈の人に裏切られ、捨てられた。それが敗戦のショックもあって更にシンを混迷させアスランを罵らさせたのだろう。
仕組まれた裏切りであったとはいえ、確かに彼を置いて逃げたのは紛れもない事実。だからアスランはシンに謝罪しか云えなくて。

『裏切り者!』

激昂したシンが力任せに押し倒したアスランの首を、絞めた。


『裏切り者ーーッ!』


そう叫びながら泣いたシンが、今も忘れられない。



それでも世界は少しずつ過ちを認め、正しながら復興しようとしている。
それはシンとアスランの身近でも同じで、今二人は共に暮らしているのだけれど。

深く刻まれたシンの心の疵は今も完全には癒えていない。
時折喪う夢を見る。
その都度うなされては眠りながら泪を溢す。裏切り者と罵った相手にすがりついて知らず救いを求めるシンに、アスランは胸を痛めながらも見守るしかなくて。


あれは何時だったか、偶々散歩をしていた市街地の公園で、少し休もうと腰を下ろしたベンチで周囲を過ぎる民間人達の平和な光景に、シンが呟いた事があった。

『俺、此処に居ていいのかな』

人をあやめてきたシンが言う。

『勿論だ、シン』

人をあやめてきたアスランが答える。


どちらも罪を背負う罪人だ。
問う資格があるのか、答える資格があるのか、判らない。
けれど、それでも願いたい幸せがある。



今年も何事もなく迎えられた誕生日、シンはひとつ歳を重ねる。
育んでくれた父や母にひとつ近付いて。
可愛がった妹とはひとつ、また離れていって。

俺だけ、また誕生日を迎えた、と。
でもアンタは違いますよね、と。

俺がひとつ歳をとってアンタに近付いて、でも直ぐにアンタもひとつ歳をとって。


結局俺達の年齢差は縮まらないんだ。

ずっと、ずっと、永遠に。


それはアスランが生きているから。シンの傍で生きているから。

たったそれだけでも今のシンには救いなのだ。ぽつりと呟いたシンの言葉にアスランは痛感せざるをえなかった。


事件や事故はある種流行のようなものだとアスランは考える。皮肉に満ちた考えではあるが、しかしあながち間違いではないかもしれない。
酷いニュースに胸を痛めても、時が過ぎれば記憶は薄らぐ。次々と起こる悲劇に同情しても、新たなニュースが報道されれば直ぐにそちらに注目する。
だが被害者も加害者も、当事者達は決してそうではないのだ。

いつまでも悪夢のような記憶に囚われて抜け出せない。


シンは戦争の被害者でもあるけれど、加害者にもなってしまっている。それはシン自身よく判っているし、今も彼なりに償っては己の疵を癒している最中である。
アスランも同じだからこそ、シンの苦痛が痛い程伝わって。


だから今夜、シンがうなされなければ良い、と願うのだ。
過去から離れていく現在、未来に近付いていく現在。
それを受け入れた時初めてシンは救われるだろうから。
今夜悪夢を見なければ、恐らくきっと。


シンは大丈夫だろう。そして、俺も。


シンの疵はアスランの傷。
アスランの苦悶はシンの悪夢。

互いが悪夢であり、幸福でもある。


俺もお前も苦しんできたんだ。
これからも罪を償う度に苦しみは続くけれど、二人で居る時だけでも救われたいじゃないか。

せめて一筋の光を、互いの中に感じたい。






「ん…」
「シン?」
再びシンが寝言を呟いた。まさか悪夢を?と恐る恐る覗き込めば。

「アスラン…さん………好き」


父や母ではなく、妹でもステラでもなく、アスランを。

シンがアスランを呼んだ。


悪夢を見ずに、幸福を夢見た、誕生日を迎えたばかりの夜。

何処に居るか判らない神に向かってアスランは感謝して、一人泣いた。横で穏やかに眠るシンの寝顔を見つめられなくなる程、声を押し殺して、一人嬉しさに泣いた。





昔、アンタなんか、とシンに散々なじられた事があった。
今、アンタなんか、とシンが噛みつくようなキスをする。

俺を裏切って捨てたくせに、と罵った唇で。
アンタが好きです…ずっと、と永遠を囁く。


今穏やかに眠るシンと、喜びに泪を溢すアスランが共に居るベッドの下には、ひとつのプレゼントが在った。
それは祝い事に疎いアスランなりに必死に考えて、考え過ぎて直前になって漸く決まった、シンへの贈り物だった。

20070901195321


シン、誕生日おめでとう。
幸福な未来であるように、ずっと祈ろう。


ずっと、ずっと、永遠に。
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
アス誕祭2006【最後の夜、最初の朝。】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2006/10/29[ Sun ] 21:13
まだ眠たい瞼をゆっくりと開けば、視界に広がるのは見慣れた天井と朝日の眩しさと、そして。

シンの顔。

「おはようございます」
「………おはよう」
「まだ眠そうですね」
「…いや………起きた」
「そうですか?、じゃあ朝飯食いましょ!」

毎朝見る光景と毎日繰り返される会話。ぼんやりとした表情を浮かべるアスランにシンは元気よく笑って寝室を飛び出した。
その内きっと旨そうな匂いが漂って鼻を擽る頃、まだ起きないんですか!と少年が怒鳴りこんでくるだろう。

お前そんな事云うけどな、俺は躯が痛いんだ。誰かが昨夜無茶をしたせいでな。

いつもならそんな文句を心の中で呟きながらシンを睨むのだけれど。
今日はすんなりと起き上がれた。

だって、昨日は何も、なかったから。

シャワーを一緒に浴びて、互いに髪を乾かしあって、パジャマに着替えて同じベッドに潜ったのに。
そこまではいつもと変わらぬ夜の習慣なのに。

シンがアスランを、欲しがらなかったから。

珍しいな、お前がしたがらないなんて。

そう尋ねれば少年が不服そうに言ったのだ。

「アンタ誕生日でしょ、明日」

だから今夜は何にもしないでアンタを抱き締めていたいんです、と。
最後の十代の夜を、独り占めさせて下さいよ、とシンが言ったのだ。

目覚めればアスランは二十歳になるから。またシンより二つも年上になるばかりか、十代と二十代という壁に隔てられてしまうから。
年下の恋人はそれを気にして。

否それだけではない。

アスランは十代を苦しみ抜いた。あがいてもがいて生きてきた。それでも全ての争いが終わった今、やっと幸せになれた。
シンと共に在れて、やっと。

だから波乱に満ちた十代を惜しみ、幸福に満ちるであろう二十代を祝福したいのだと。

たどたどしい言葉でシンはアスランに告げて。

「だから今夜はアンタの時間を俺に下さい」

判った、と頷くより先に何故か涙が出た。

こんなにも愛され求められ。躯だけではなく心も、シンはアスランを必要としてくれている。

ただ、もう、嬉しかった。

「今日のメニューは何だ?」
「いつもと変わらないですよ」
「パンにサラダにスクランブルエッグ…」
「でも今日はパン焦げてないし野菜落としてないし!。………卵はぐちゃぐちゃになりましたけど」
「いいよ、ありがとう、シン」

起きろ、と怒鳴られる前にダイニングに向かい、そんな会話をして。シンなりに頑張って作った朝食は、数々の失敗を重ねてそれなりに食べれるようになった。
お料理暦一年生なシンよりも何にも出来ないアスランには無論文句を云う権利はなくて。
癖になった苦笑いを浮かべて、巧く出来なくて少しだけ悔しそうなシンの頭を撫でてやる。

「ほら、シン」

早く食べないと冷めるぞ、と固めの黒髪をわしゃわしゃと掻き回し。

アンタ、犬じゃないんだから止めて下さいよ!とシンが怒鳴る前に。

穏やかな朝を、初めての二十歳の朝を、共に向かえてくれた愛しい少年に。

ありったけの愛情と感謝を込めて。

十代のシンに、二十歳のアスランから、かすめるような口付けを、した。
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
【シン誕祭】祭スケジュール(09/10更新)
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2006/09/10[ Sun ] 23:21
【シン誕祭】予定より若干延長になりましたが、無事終わりました!
しつこく投下しまくって、お付きあい下さってホント感謝しておりますwww

暫くはマターリオンオフどちらもやりつつ、しかし次の投下祭は直ぐそこwwwww
また近くなったら告知しまつよ!


【シン誕祭】

※開催期間 8/27~9/10まで
(少しだけ延期しますた)
※更新終了・以下参考

0: 08/27 【愛しい向日葵】UP済(グッコミ配布の無料配布本)
01: 08/31 【愚者の祝宴】UP済
02: 09/01 【罪が夢見るまほろば】UP済
03: 09/01 【絶対不変な方程式】UP済(※裏)
04: 09/02 【果たしてサボテンに心臓(ハート)はあるか】UP済(サボテン・おまけネタ)
05: 09/03 【イブだからこそ】UP済(※拍手SS 1)
06: 09/03 【廻る記憶は今】UP済(※拍手SS 2)
07: 09/03 【宴の後始末】UP済(※拍手SS 3)
08: 09/03 【トカゲより愛を込めて】UP済(※ツンデレサイトに投下済)
09: 09/04 【ちゅー、して】UP済
10: 09/05 【ちゅー、してくれる?】UP済
11: 09/07 【夢の向こうに】UP済(時系列番外編)
12: 09/10 【罪人の夢見る救済を】UP済(罪の暁・その後ネタ)

無事に終わりましたが、これから潜伏しますorz。ツンデレ修羅場でなく荷造り修羅場だよ…あはん。

取り敢えずアスコレまではオフやりつつマターリオンも更新していきまつ。
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
シン誕SS 12【罪人が夢見る救済を】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2006/09/10[ Sun ] 23:12
えと。長らく?お待たせしました?
やっとシン誕祭ラストのネタです。

オフ本【罪の暁】のその後ネタですので、知らないまだ見てない方はもれなくスルーして下さい。

ごめんね、こんなん書いて。不親切だとは思うが、しかし自分が書きたかったのだよ。
まだこの後のネタもあるが、いつまでも引きずるのはやめとこう。
黙って違うの書くですよ(・∀・)

でもまだ新しいネタ浮かんでないんだがな…orz

ちなみにホントはこの後のネタを書く筈がいつのまにかこっちになってますた。
そっちの方が多少明るくてアスランが可愛かったんだが。まあいいか。


兎に角暗いけどあの続きです。判ってる方だけドゾwww
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
シン誕SS 11【夢の向こうに】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2006/09/07[ Thu ] 22:14
本当に、無茶をすると思う。死にかけたという自覚はないんだろうか、どれだけ心配をかけたか判っているんだろうか。

この、無茶苦茶な幼馴染み殿は。

幼い頃はいつも同じ事を云われて叱られてたけれど、でも本当に無茶苦茶なのは、アスランの方だ。限界まで我慢して、その限界を超えても我慢して。
挙げ句倒れてたら意味がない。

この間もまだ安静にしていなきゃならない躯で戦闘に出た。ナチュラルなら集中治療室から出られない、コーディネーターでも動くのがやっとな躯で、あろうことかMSに乗り込んだ、彼は、案の定戦闘後に倒れて医務室に逆戻りした。
やっと其所から出て自分と同じ部屋に移ってきたけれど、それでも戦況を把握して何か手を打とうと策を練って。毎日毎晩寝る間も惜しんできた。
まだ本調子じゃないだろう、と云っても聞こうともしなかった結果が、これだ。

「…ッ、ン、………ン」
今、アスランはキラと同室のベッドの上でうなされている。無理が祟って熱を出して倒れてしまった。勿論コーディネーターである彼がこうまでなるのだ、治りはじめていた怪我が悪化した証拠である。外面上は問題なくとも、恐らく痛めた内臓に負担がかかったに違いない。
「う…っ、ン…っ」
「アスラン?」
さっきからずっと、苦し気にもがいて何かをうめいているが、キラには全く判らない。
「アスランさん、どうですか?」
「あぁ、うん…相変わらず、かな」
「そうですか…」
兎に角今は休養が必要だからとベッドの脇に置いた椅子に腰掛けてアスランの様子を見つめていたキラに、メイリンが声をかけてきた。
先日偶然救出した、アスランがかばって助けた元ザフトのこの少女は、周囲に馴染もうと頑張っているけれど、やはりよく見知ったアスランが近くに居ると安心するらしい。寝込んでしまったアスランを案じて様子を見にきたらしかった。
「…ッン、ン…」
「さっきからこうなんだ。よく判らないけどずっと何かを呼んでるみたいにうなされてる」
「…アスランさん」
額に汗を滲ませて荒い吐息を浅く繰り返しながら何かを呼ぶアスランに、キラは半ば降参とばかりに両手をあげて。メイリンが更に困った顔をした。
けれど鎮痛剤や解熱剤はあっても、一番今必要なのは体力の回復だ。だから何も出来ずに二人は黙ってアスランを見守っていたのだけれど。
不意に意味をなさない言葉を繰り返していたアスランが、何か、ではなく、誰か、を呼び出して。
「…っ、シン…シ、ン…」
「………シン?」
「あ」
その名に覚えがないキラは首を傾げ、メイリンは反対に何か思ったらしい。
「シン、って誰?」
当然キラはそう尋ねるが、しかしメイリンは立ちすくんだままうつ向き、言葉に詰まってしまう。
「…シン、は…」
「うん」
「同じ艦に…乗ってて…。アスランさんと同じパイロットで…」
「もしかしてインパルス?」
キラの鋭い指摘にメイリンは頷くしかなかった。アスランがミネルバでパイロット達を束ねる立場にいたのはもう知られている。けれどアスランとシンがどんな関係だったかはキラは知らない。
「…シンはいつもアスランさんに逆らったりして…凄く手のかかる部下って感じだったんですけど…」
けれどいつしか二人の間に変化が起きた。反発しあってもどこか信頼しあっているようで。だがそれも戦局に左右されるように険悪になっていった二人を、メイリンはただ見守っていただけ。
そうしてあの時、アスランが軍を脱した時。追撃してきたシンに対してのアスランの態度に。二人の関係が思っていたものよりも深く、そして悲しい結末になってしまったんだと。初めてメイリンは知ったのだ。
彼等にとって癒えない疵を、今幼馴染みだというキラを目の前にして、どこまで話してもいいのか戸惑ってしまう。

するとまたアスランがうわ言でシンを呼んだ。
「シン…、たん………め、で………」
「え?」
「………」
さっきとは僅かに違う言葉にメイリンは首を傾げ、キラは沈黙したきりで。

シン、誕生日、おめでとう。

確かに今、アスランの唇はそう動いた。

「もしかして…そのシンって子、誕生日近かったりする?」
「え?、………あ」
「近い、んだね」
唇の動きを読んだキラがメイリンに尋ねると、彼女は記憶の端にあったシンのプロフィールを思い出す。確かにシンの誕生日は近かった筈だ。
では今アスランはうなされながらも、夢の中でシンにおめでとうと伝えているのだろうか。

現実では逢えない、夢でだけ赦された逢瀬で。

アスランはシンに、おめでとうと。

一瞬流れた沈黙を破ったのはキラだった。
「…あーあ」
「キラさん?」
「アスラン、とられちゃったかな」
「え?、え?」
キラの言葉の意味にシンとの関係を知っているメイリンは焦りを隠せずに慌てた。キラは違うよ、と苦笑いする。
「アスランはね、昔から他人の誕生日とか覚えるの苦手だったんだ。っていうよりそういうのに興味がないっていうか、無頓着っていうか」
自分の誕生日すら当日になって周りに祝ってもらって思い出すような人間だ。そんなアスランが家族と幼馴染みである自分以外の誕生日を覚えていて、しかも祝おうとしている。

それはつまり、アスランの中に深くシンという存在が根付いているという事。

「そっか…」
キラは一人で勝手に納得したようだった。じっとアスランの顔を眺めて頷いている。
「昔はキラキラ煩かったのにね」
「キラさん…」
「道理でこっちに戻ってきてから余り煩くない訳だ」
そう云ってキラは視線をアスランからメイリンへと動かし、彼女の肩を軽く叩いた。
「行こうか」
「え、あ、はい」
「大丈夫、あと少し寝てれば治るから」

だから今は、好きなだけアスランの望む夢を。
目覚めたらまた過酷な現実が彼を待っているから。
今だけは、幸せでいさせよう。

そうしてキラはメイリンを連れて部屋を後にした。
一人、シンの夢を見るアスランだけを残して。



彼と戦わねばならない現実を、今だけは忘れておやすみ。

アスラン。


そう、心の中で呟いて。
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
シン誕SS 10【ちゅー、してもいい?】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2006/09/05[ Tue ] 22:50
「只今ー!」

元気よく叫んだシンの声に、リビングでガラクタのような工具と部品に囲まれていたアスランはのそのそと立ち上がり、彼が居る玄関へと向かった。

「おかえり、シン」
「あ、起きてた」
「寝てると怒る癖に、起きてると驚くのか、お前は」

出迎えたアスランにシンは驚きを全く隠そうとしない。
いつも電池切れでぱったり寝てるか、何かを作ってて夢中になってるか、どっちかしかないのに。
珍しい事もあるもんだ、とシンが思うのは当然だろう。
「何か食べてました?」
「いや、軽くつまんだだけだ」
「だと思った。今飯作るから待ってて下さい」
靴を脱いで廊下を歩き出したシンの背中を見ながら、アスランがひょこひょこ後をついていく。シンよりでかい癖に、まるで餌を与えてくれる親鳥の尻を追う雛のようだ。

「あ」

ふとアスランが声をあげて。何?とシンが振り向くより先に、アスランの手がシンの腕を掴んだ。
グルン、と力任せに振り向かせて。

「ちょ、何?、何だよアンタ!」

当然シンはいきなりの事で慌てている。けれどアスランはシンの事などお構い無しに、腕を掴んだまま。

「ん」

目を伏せて、代わりに唇をつきだして。

ちゅー、して。

と、おねだり。





たっぷり数分間、シンは目の前でキスをねだるアスランに、びっくりして。

硬直。

「シン?」
「な、な、な!」
「ん」
「ん、って!」
「キス、しないのか?」
「………っ」

いつまで待ってもキスがなくて、片目だけ開けて、またおねだり。
余計シンの頭の中が真っ白になる。

初めてアスランからキスをねだられて、しかも帰ったばかりで両手に買い出しした物を持ったままで、しかも玄関先で。
シンでなくてもどうしていいか判らなくなる。

「シン、キス」

待っても待ってもシンは固まったままで、アスランは何度も、ん、と唇を差し出して。

そこで、シンの記憶は吹っ飛んだ。






「すいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいません!」
「………………………」

気付いたらアスランは居間の床にうつ伏せで倒れていた。上着のシャツははだけてて、下に履いてたものは全部脱がされていて。

なんでこうなるんだろう。ただキスをねだっただけなんだがな。

余韻に流されたまんまの頭でぼんやり考える。
シンはアスランの横で土下座してひたすら謝っている。

アスランからのキスのおねだりに理性が吹っ飛んだシンは、そのままアスランを美味しく頂いてしまったのである。

「ホンッとすいませんすいません」
「………シン、腹減った」
「はっ、はい!。今すぐ作ります!」
「いや、もう…いい………眠い」
「や、でもでも!」
「このまま寝るから………後は頼む」
そう云ってぱったりと眠ってしまったアスランに、シンは又も固まってしまった。


ぎゅ、とアスランの手が、シンの手を、握ったから。


朝から晩まで翻弄されっぱなしだけと、それでも充分すぎる快楽の報酬は貰えてるし、何より彼に求められて必要とされてて。

それが、嬉しい。

キスをねだるのは俺だけでいいから、アンタはしなくていいから。

少しだけ反省しながら、シンは手を繋いだまま眠ってしまったアスランを見て、困ったように笑っていた。
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
シン誕SS 9【ちゅー、して】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2006/09/04[ Mon ] 23:48
「アスランさん、俺もう行くよ?」
「…んー、気を付けて行ってこい………」
「ちょっと、起きてよ寝るなよ見送れよ!」
「あー…、判ったから…後五分………」
「だから俺もう行くって云ってんだろ!。いい加減起きろ怠け者!」


平和になった世界の何処かで、何のしがらみもなく平凡に暮らし始めたのはいいけれど。

何故かアスランは転がりこんできたシンと一緒に暮らしている。

アンタ意外と適当で大雑把なんだから、一人で暮らせるの?

それがシンの言い分らしい。確かに自分にしか関係しない事は後回しにしがちで、時々食事も睡眠も忘れたりするけれど。まさか今、戦争が終わってから、年下の彼に面倒をみてもらう羽目になるとは思わなかった。

シンはザフトを辞めて普通に学校に行ったりしている。アスランは家で技術者みたいな事をしている。
シンは規則正しい生活リズムだ。アスランは自由きままに寝起きしてとんでもなく不規則だ。

アンタ軍にいた方が却って良かったんじゃないの?と余りの生活リズムにシンが説教を垂れて、それ以来シンの生活リズムに合わせるよう強制されてたりする。


そして今日も飽きもせず同じ事の繰り返し。
学校に行くシンが未だベッドの上で毛布と親睦を深めているアスランを叩き起こして。毛布を引き剥がして枕を奪い取って。両腕を掴んでシーツの上に正座させて。
ぺちぺち頬をはたいて強制起床。

そうしてやっと起きたアスランをずるずると玄関にまで連行させるのがシンの日課となってしまっていた。
玄関まで渋々歩くアスランは頭はボサボサで半目でよれたパジャマを上だけ着てる。下は昨日シンが脱がせてコトに及んだから何にも穿いてなかったりするけれど。

「今日俺学校終わった後買い出しに行ってくるけど何か欲しい物はあります?」
「…んー、じゃあ…ボルトが足りなくなってきたから買ってきてくれ。サイズはいつものやつだ」
「馬鹿!、俺が云ってるのは生活用品とか食糧の事です!。誰がアンタのガラクタで足りないモノ聞いたかよ!」
「いいじゃないか、ついでだろ?」
「ついでじゃねー!。売ってる所全然別じゃん!」
「ケチ」
「………アンタの頭に絞めるネジなら買ってきてやる」

寝惚けたアスランを見送りに連れてきて、シンは玄関先で尋ねたけれど、やっぱりまだ頭はとろけてるようだ。どうにもならないやりとりに怒るのも無駄だと、シンは早々に白旗を上げて靴をはく。

「…じゃ、行ってきます」
と、顎を引いたまま唇を尖らせてアスランを下からジロリと見つめる。
そんなすねた顔して行ってきますをする仕草も、実は毎日の日課で。まだ眠そうなアスランに向かっていきなり口をつきだして。

「ん」

目を閉じたのが、合図。

「ああ、待ってろ」

アスランも毎日繰り返してる事だから何にも云わずに目を閉じて。


ちゅ。


玄関先で、いってらっしゃいの、キス。

「よし、行ってこい」
「俺犬かよ!」
「気を付けてな」
「人の話を聞け!」

結局キスしても何しても二人のやりとりは変わらないのだけれど。これがないと何と無く一日が始まった気がしなくなっている。

それはシンだけでなく、アスランも。

ぎゃあぎゃあ云いながら二人の住み家から出ていったシンを見送って、アスランは一人ぼけっと玄関に立っている。
出ていく際にシンが云ってた事はもう半分忘れてる。その分空いた頭で、ぼんやりと彼を思う。

アイツ、律儀だよな、と。
以前同じ艦に居た頃、まだ付き合ってるのかいないのか、アスランはいっぱいいっぱいでシンは素直じゃなくて、やる事やってもまだ恋人じゃなかった頃。
一度アスランがしつこくキスをしまくるシンに鬱陶しいと叱った事があって。そんなにホイホイ気軽にするな、と云ってからは必ずキスをせがむようになった。
あんな風に唇をつきだして、アスランからキスをしてくれるのを待って。
夜はなんだかんだと押し流して致してしまう癖に、日中は今でもアスランの気が向くのを待ってキスをしている。

「馬鹿正直というかなんというか…」

ふと口にした言葉に、自分でも笑いが溢れる。

そんなにしたいならすればいいのに。
あの時は状況が状況だからそれどころじゃなかったけれど。今は平和で平凡に暮らしているんだから。好きなだけすればいいのに。

「可愛いよな、アイツ」

そう呟いてアスランはドアの向こうに消えたシンを思って、とうとう声を出して笑いだした。


口ではあんな事云って素直じゃないけど、さっき云ったボルトもついでに買ってきてくれるだろう、可愛いコイビト。

アスランの大事な、シン。
可愛いコイビトが帰ってきたら、試しにこっちからキスをねだってみようか。



どんな顔をするだろうか、と愉しく想像を膨らませながらアスランは再びベッドへと潜り込んだ。
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
シン誕SS 8【トカゲより愛を込めて】
TB[ - ]  CM[ - ]  Edit   2006/09/03[ Sun ] 22:33
先程ヒダリさんトコにシン誕ネタの【トカゲより愛を込めて】を投下しますた(・∀・)
近々公開される筈。宜しく頼むぜヒダリさん!

つか久々のトカゲは何だかやたらと人離れが深刻化してるような気がする。
益々脳みそ縮んでないか、トカゲ。
もはやアスランはアスランでなく、ただのトカゲです。


ごめん、皆シンアスでなくてシントカゲだと思って下さい…orz

ちなみに今夜は何をされるのか、めいっぱいマニアックで変態なお仕置きを各自妄想して下さいwww
つか私も浮かばないよwwwww
Category [ シン誕・アス誕・お題 ]
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